犬が『暑さ』を感じる温度とは?暑がっているときに見せるサインや温湿度管理のポイントまで

犬が『暑さ』を感じる温度とは?暑がっているときに見せるサインや温湿度管理のポイントまで

暑い夏がやってきましたが犬が暑さを感じる温度帯は何度なのでしょうか?わたしたちとは異なるのでしょうか?犬が過ごす適温や暑いと感じているときに見せるサイン、温湿度管理のポイントまで幅広くご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬が暑いと感じる温度とは?

暑そうなフレンチブルドッグ

体にこたえる夏がやってきましたが、犬たちは「暑さ」をどう捉えているのでしょうか?そもそも犬はわたしたちのように汗をかくことができません。ですので体内に熱がこもりやすくなるため、より暑さを感じやすくなります。被毛で覆われている犬の状態を人間に例えると「真夏にダウンジャケットを着ていることと同じ」だと言われるほどです。

  • 室内で約26℃以上の気温
  • 湿度は約70%以上

これらの温湿度を超えてくると犬は暑いと感じるようになります。体格や被毛のタイプ、年齢によって若干変わりますが、目安としてぜひ覚えておいてください。

これらを踏まえると外の散歩も十分に注意が必要です。犬は体高が低いので地面との距離が近く、照り返しの影響も強く受けるためわたしたちと体感温度が全く異なります。例えば外気温30℃の場合に犬が感じる温度は40℃、アスファルトの温度は60℃と言われています。

前述の「26℃」はあくまで室内で犬が暑さを感じる温度です。外での散歩は気温が低めでも日差しや路面状態を十分に確認することが大切です。

犬が暑がっているときに見せるサインとは?

犬と扇風機

では、犬が暑いとどのようなサインを見せるのでしょうか?具体的な症状は以下の通りです。

  • ハァハァと荒い息(パンティング)をする
  • 涼しい場所へ移動する
  • 水を大量に飲む
  • 動きが鈍くなる

犬は暑さを感じると、パンティングという荒い息をします。この行為により体内の熱を体外へ放出しているのです。運動後などに見られることもあり、飼い主さんも確認しやすいはずです。

さらにパンディングで蒸発した水分を補うために、たくさんの水を飲むことがあります。また、フローリングの上で寝そべるなど涼しい場所で体を休める光景も見られるでしょう。

犬も暑さを感じるとなかなか動く気力がわきません。これは暑さによる体力の消耗や自律神経の乱れにより、体がだるくなるためです。

愛犬がこのようなサインを見せたときは「暑い」と感じていますので、何かしらの対策が必要です。次項では、犬が快適だと思う温湿度管理のポイントをお伝えします。

犬が快適に過ごせる温湿度管理のポイント

エアコンの風に当たる犬

犬が心地よく過ごせる温度は21~25℃、湿度は50~60%程度とされています。環境省がクールビズとして推奨する28℃より低めなので注意が必要です。犬が室内にいるときに気を付けるべき温湿度管理のポイントは何でしょうか。

1.エアコンを上手に活用する

愛犬のためにも今やエアコンは必要不可欠です。しかし、誤った使い方をしてしまうと体調を崩してしまう可能性があります。エアコンの稼働ポイントは以下の通りです。

  • 愛犬の様子を観察して調整する
  • エアコンの風が直接当たらないようにする
  • 湿度が60%を超えた場合は除湿する
  • 毛布など寒さ対策をする

犬が暑さを感じる温度は体格や年齢によって少し変わってきます。荒い呼吸をするなど暑がっている場合は温度を下げ、体を丸めて縮こまっていれば温度を上げるなど、エアコン稼働中は愛犬の様子をこまめに観察しましょう。

エアコンの風が直接当たらないように調整することも非常に大切です。風を浴び続けると冷えにより体調を崩してしまうことも。愛犬の寝床にも当たらないよう調整しましょう。

温度だけではなく湿度管理も必要です。数字は適温でも湿度が高いと熱中症のリスクも発生します。エアコンの除湿機能や除湿器を活用するなど気を配ってください。

犬が「寒いな」と感じたときに暖をとれる場所があるとよいですね。毛布やブランケットを用意してあげると犬も喜ぶでしょう。

2.扇風機などを活用する

エアコンの冷気が足元に溜まりやすいため、体高の低い犬はどうしても冷気を浴びやすくなります。扇風機やサーキュレーターを上手に活用することがポイントです。

エアコンに背を向けるように扇風機やサーキュレーターを置くと、効率的に空気を循環させることができます。部屋の温度を一定に保てるようにすることが大切です。

3.遮光カーテンなどを取り入れる

エアコンで対策していても、外の空気や熱の影響をなるべく遮断しなければ、快適な温湿度はなかなか保てません。

お家の中でも窓は最も大量の熱が出入りする場所です。夏は外の約70%の熱が入り込むのです。室外の影響を受けにくくするには、遮熱カーテンやブラインドシートが役立ちます。

4.定期的に換気する

温度や湿度を手軽に調節する方法としては換気が有効です。離れた場所にある対角線上の窓を2か所開けると、空気の入替が効率的に行われます。窓が1か所の場合は、窓に向けて扇風機を回してください。

暑い夏は室内で空気が滞ることにより湿度が上がりやすくなります。ぜひ定期的な換気を行いましょう。

まとめ

涼しそうなラブラドールレトリバー

犬は人間よりも暑さを感じやすいため、わたしたちが耐えられる暑さであっても、犬は限界だと感じていることも。エアコンなど冷房機器を上手に活用し、愛犬が快適に過ごせるよう工夫は怠らないようにしましょう。

暑い夏を愛犬と元気に乗り越えられるように、愛犬の様子をよく観察し環境を整えてあげましょうね。

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