そもそも『お盆』ってなに?
若い世代の方には馴染みがあまり無いかもしれませんが、『お盆』はもともと「ご先祖様の霊を家へ迎えて供養するための行事」です。
地域や宗教によって詳細は異なりますが、お盆は毎年8月の13日~16日の期間で行われ、家族みんなでお墓参りに行ったり、灯篭流しや盆踊りを行って先祖の魂を偲ぶのが一般的です。
近年ではペットブームと共に「犬は家族の一員」だと考える人が増え、お盆の時期にはご先祖様だけでなく、亡くなった愛犬の魂を一緒にお迎えして供養する人も多くなっています。
「夏の長期休み」というイメージが強くなっているお盆ですが、ご先祖様や亡くなった愛犬に感謝を示す大切な行事だということも忘れずにいましょう。
亡くなった犬のお盆の迎え方
「亡くなった愛犬をお盆にお迎えしたいけど、具体的に何をしたら良いの?」という飼い主さんのために、ここからは『亡くなった犬のお盆の迎え方』をご紹介しますので、参考にしてください。
なお、お盆は四十九日法要が終わって迎える最初の8月に初めてのお盆「初盆」を行いますが、愛犬が亡くなったのが7月や8月の場合の「初盆」は、翌年のお盆になりますので注意しましょう。
1.盆棚(精霊棚)を作る
お盆には「盆棚(精霊棚)」と呼ばれる祭壇を作り、亡くなった愛犬の写真やお供え物を飾りましょう。お供え物に愛犬が生前食べていたドッグフードやおやつ、好きだった果物やお肉を置いておけば、きっと喜んでくれるはずです。
また、死者の魂をあの世からこの世へ運ぶ「精霊馬」という飾りを愛犬のために作るのも良いでしょう。精霊馬は夏野菜のナスとキュウリに足となる串などを刺して馬に見立てて作ることができます。簡単なので是非用意してみてくださいね。
2.お墓参りをする
亡くなった愛犬をペット霊園やお寺、納骨堂に埋葬しているなら、お盆の時期に家族でお参りへ行きましょう。
お参りへ行ったら、
- お墓の掃除
- 草むしり
- お供え物をする
- お線香を焚く
これらを行って亡くなった愛犬に感謝の気持ちを示してください。屋外にお墓がある場合、お供え物を置いて帰るとカラスなどに荒らされてしまう恐れがあるため、持ち帰ったほうが安心です。
3.家族で愛犬の思い出話をする
お盆の中日である8月の14、15日は家族みんなで過ごし、亡くなった愛犬の思い出話に花を咲かせましょう。元気だったころの写真や動画があれば、より鮮明に愛犬との日々を思い出すことができるはずです。
家族が自分の話をして盛り上がっていれば、亡くなった愛犬もきっと喜んでくれることでしょう。
4.送り盆を行う
お盆の最終日8月16日は、愛犬の魂を天国や極楽へ送る「送り盆」を行います。
来年のお盆にもまた会えるように祈りながら、再度お墓参りへ行ったり、盆棚に手を合わせて「また来てね」と語り掛けましょう。寂しい気持ちになると思いますが、愛犬が安心してあの世へ戻れるように笑顔で送りだしてあげてくださいね。
犬の適切な供養の仕方
お盆に限らず、愛犬が亡くなったら丁寧に供養してあげましょう。遺体は行政や民間企業に依頼して火葬してもらい、遺骨はペット霊園や納骨堂に埋葬するか、自宅の祭壇などに安置するなどしてください。
火葬や葬儀が終わったら、愛犬の写真やお供え物を飾ったり、メモリアルグッズを制作して弔うのがオススメです。心を込めて供養することで、残された家族の喪失感も幾分か和らぐことでしょう。
まとめ
大切な愛犬を亡くすととても寂しいものですが、年に一度お盆の時期に愛犬の魂がお家へ帰ってくるのをお迎えしてあげましょう。お盆の風習は地域や信仰している宗教によって異なりますので、家族が納得できる方法で供養するようにしてください。
そうすれば亡くなった愛犬も、家族が自分のことを忘れずに思い続けていてくれることに安心するはずです。