1.歯周病
「3歳以上の犬の8割以上が歯周病にかかっている」と言われていることから、老犬のほとんどが歯周病になっていると考えられます。
ドッグフードは歯に付着しやすく、犬は人間のように1日3回もきっちりと歯磨きできないこともあり、どうしても口の中に汚れが残ってしまいます。汚れが蓄積して匂いが発生することもありますし、歯肉炎などを起こして口臭が強くなってしまうこともあります。
予防や改善方法
老犬の口臭を防ぐために、まずはしっかりと歯磨きをして日々の汚れを残さないようにすることが大切です。そうして口内を清潔に保つことで、匂いの発生や歯周病の予防ができます。
歯磨きをすれば除去できる歯の汚れ(歯垢)は、犬の場合2~3日であっという間に歯石になってしまいます。歯石になると歯磨きなどのホームケアでは除去できなくなるので、1日1回の歯磨きを小さな頃から習慣化するようにしましょう。
2.糖尿病や腎不全
老犬になると、様々な病気のリスクが高まります。その中でも、糖尿病や腎臓病になると口臭に変化があらわれるとされていて、病気を見つけるサインとしても挙げられます。
糖尿病になり血糖値を下げる働きを持つインスリンが低下すると、体内でケトン体という物質が作られます。このケトン体にはアセトンという物質が含まれ、甘酸っぱい匂いが発生します。
また、腎臓病は初期の段階ではほとんど症状があらわれませんが、症状が進行すると腎臓機能が低下して老廃物や毒素の排出ができなくなってしまいます。そのため、体内に老廃物が蓄積してしまい、口からアンモニア臭が上がってきてしまうのです。
予防や改善方法
糖尿病や腎臓病を予防するためには、若い頃から栄養バランスの整った食生活を送らせたり、適度な運動をさせたりして、肥満を防いで健康を維持することが大切です。
また、1年に1回を目安に血液検査など健康診断を受けて、病気の早期発見に努めることも必要だと考えられています。糖尿病や腎臓病は基本的に完治しないため、進行を遅らせて現状維持をすることを目指さなければなりません。
3.排泄物の付着
老犬になると尿道や肛門周辺の筋力が衰えて、おもらししてしまうことが少なくありません。また、尿意や便意に気づく感覚も鈍くなって、トイレに間に合わずに漏らしてしまうことがあります。
そのようなことから、排泄物が体に付着してしまうことが多くなり、それが原因で匂いが発生することも考えられます。
特に、犬が寝ているときなどは、飼い主さんが気づかないうちに少量の尿漏れをしてしまうことが多いので、知らないうちに汚れてしまっていることがあります。
予防や改善方法
排泄物の付着による匂いの発生は、定期的に体を拭くなどして汚れを取り除くことで防げます。
犬が排泄をしたあとは優しくお尻まわりを拭くようにして、起きたときなどにも汚れていないかチェックしてあげるといいでしょう。
まとめ
犬が年齢を重ねると、様々なことが原因で体臭や口臭が強くなる傾向にあります。その多くは完全に防ぐことはできないとされていますが、飼い主さんのケアや日々の生活の見直しによって軽減できます。
また、年齢を重ねるとシャンプーが体の負担になってしまうため、頻繁におこなうのは避けた方がいいとされています。匂いを防ぐために体を清潔にするなら、部分的に洗ったり濡れたタオルで拭き取ったりといった配慮をするようにしましょう。