犬が骨折してしまう『高さ』の基準とは?危険な事故を事前に防ぐための対策まで

犬が骨折してしまう『高さ』の基準とは?危険な事故を事前に防ぐための対策まで

犬の事故による骨折は珍しくありません。そのうちの7割以上が家の中で起きていることをご存知でしょうか。今回は犬が骨折してしまう『高さ』の基準や事故を防ぐための対策について解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の『骨折』は1歳未満の子犬が最多!

骨折を処置してもらう犬

犬の脚は人間よりも細く、さらに動きが活発な年齢の犬の場合、脚腰に衝撃がかかりやすいという理由から犬の骨折は珍しくありません。

中でも1歳未満の子犬による骨折が圧倒的に多く、子犬の脚は成犬に比べると未発達なこともあり、骨折しやすいことが伺えます。

もちろん、よりアクティブになる成犬や体が衰えてくる老犬も注意が必要です。今回は犬の『骨折』につながる事故の事例や高さ基準などを見ていきましょう。

犬が骨折してしまう『高さ』とは?基準や事例を紹介

前足を処置してもらう犬

どのくらいの高さから落ちてしまうと、犬は骨折するリスクが高まるのでしょうか。ここでは基準や事例を紹介します。

1.たった30cmでも犬にとっては大きな負担に

運動神経が良い犬が多いため、多少の高さなら大丈夫なのではと思われがちです。しかし、実は30cmの高さであっても降りた時の衝撃は大きく、骨折につながるケースは非常に多いです。

子犬や老犬はもちろん、成犬であっても体格が小さければ、その分、高さのある場所から飛び降りた時の衝撃は大きく体に響きます。この衝撃や負荷に耐えられず、骨が折れたりヒビが入ってしまうのです。

2.骨が未発達の子犬は転倒だけでも骨折する恐れ

先ほどお話ししたように、子犬の骨は成犬に比べて未発達な部分が多いです。そのため、興奮状態で走り回っている最中に転倒し、その拍子で骨折…というケースも少なくありません。

子犬だけでなく、成犬でも勢いよくフローリングの上を走り転倒した結果、強い衝撃によって骨折や打撲といった大怪我を負うこともあるので気をつけましょう。

3.骨折の原因第1位は「ソファや段差からの飛び降り」

ソファに座る犬

骨折しやすい場所と聞くと、真っ先に屋外を思い浮かべる人が多いと思います。しかし、骨折原因で最も多い場所は、リビングなどのソファや小さな段差からの飛び降りです。

骨折事故の7割以上が室内で起きており、ソファやベッド、段差などからいつも通り飛び降りた拍子に、「キャイン!」と悲鳴のような鳴き声をあげて骨折に至った…という事例が後を絶ちません。

4.抱っこ中に誤って落としてしまう骨折事故も

飼い主が抱っこしている最中に誤って愛犬を落としてしまい、その時に受身を取ることもできず骨折してしまった…という悲しい事故も多数報告されています。

骨折原因の第2位に上がるほど、多くの犬が抱っこ中に骨折していることがわかります。抱っこする際は落とさないよう細心の注意を払ってください。

骨折につながる危険な事故を事前に防ぐための対策

ペットステップを降りるチワワ

骨折につながる事故の事例を確認した後は、事故を事前に防ぐための対策を講じることが重要です。

  • ソファやベッドには『ペットステップ』を設置
  • フローリングには滑り止め加工やマットを敷いて対策
  • 階段に続く廊下に柵を設置
  • 屋外では必ずリードを装着させる
  • 抱っこするときは落とさないよう細心の注意を払う

ソファやベッドからの飛び降りによる骨折が多いため、ペットショップなどで販売されている『ペットステップ』や『ペットスロープ』を設置するご家庭も多いようです。

また、フローリングも転倒しやすいので、滑り止めワックスを塗ったりマットを敷いて対策しましょう。

まとめ

骨折した犬

犬の骨折は、全治2ケ月ほどかかる場合もあり非常に危険です。骨折の仕方によっては後遺症が残る事例も0ではないので、室内で落下や転倒による骨折事故を起こさないよう、日頃から対策を念入りに行いましょう。

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