寝ている犬が見せる不思議な行動
犬は1日の大半の時間を眠って過ごすため、飼い主さんも愛犬の寝ている姿を見る機会はとても多いと思います。そして寝ている犬たちは、時に不思議な行動を見せることがあると思います。
1.体がピクピクと動く
よく寝ていると思っていた愛犬が、突然ピクピクと動き出してびっくりしたことがある人も多いのではないでしょうか？顔を見れば眠っているのに、体が小刻みにピクピクしたり顔の筋肉が動いたりしていることは、決してめずらしいことではありません。
犬の体が動くのは、睡眠中に脳内で記憶や情報を整理したり、浅い眠りのなかで周囲の音や気配に反応したりすることが要因だと考えられています。
基本的に問題はありませんが、あまりにも激しく体が動いていたり、声掛けをしても目覚めず意識がなかったりする場合は、「けいれん発作」を起こしている可能性があります。
少しでも異変を感じたら、けいれんが収まるまで体に触れずにそばで見守り、その後すぐに動物病院を受診するようにしてください。けいれん時の様子を動画で撮影しておくと診断の役に立つので、余裕があれば撮っておきましょう。
2.走っているように足を動かす
しっかり目をつぶって眠っているのに足を大きく動かして、歩いたり走ったりするような行動を見せる犬も多くいます。また、寝ながらしっぽを振るという犬も少なくありません。
こうした行動が起こる原因や要因は、現時点でははっきりと解明されていません。しかし、夢の中での行動が体の動きに出ているということや、疲れが溜まっているということなどが関係していると考えられています。
3.吠える、寝言をいう
寝ていると思っていた犬が突然「ワン！」と大きな声で吠えたり、「ワフワフ」と寝言を言ったりしている様子を見たことはありますか？
睡眠中に体が動くのと同様に、寝言をいうのもごく自然な行動だとされています。こちらも脳内で情報の整理をおこなっているときや、脳の疲労回復をしているときにおこりやすいようです。
ただし、体を丸めたり震えたりしながら「クーン」と鳴いていたり、「ブーブー」と大きないびきをかいていたりするときは体に異変が起きている可能性があるので、しっかり様子を確認しましょう。
4.白目や半目になる
ぐっすり寝ている愛犬の顔を見たら、目が少し開いていたり白目をむいていたりして、びっくりしたことがある飼い主さんもいると思います。
しかし、こうしたときは多くの場合心配はなく、単純に熟睡して全身の力が抜けているだけだと考えられます。脱力すると体だけでなく顔の筋力の緊張もゆるむため、まぶたが軽く開いてしまうことがあるのです。
特に、仰向けになって寝ているときや頭が下がっているときなどに、白目や半目になってしまう様子が多く見られます。
犬も夢を見ることがある？
犬が寝ながら動いたり吠えたりする要因のひとつに、「夢を見ているから」ということが考えられています。しかし、そもそも犬が夢を見ることがあるのか疑問に感じる人もいるでしょう。
睡眠には、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、一定の周期でくり返されています。そして、動物の本能として危険を察知する能力を強く持つ犬は、人間と比べてレム睡眠の時間が長いようです。
人間の場合、はっきりとした夢を見るのは脳が起きている状態のレム睡眠のときであることがわかっています。
それは犬も同じだと推測されていますが、MRIや言語を使って夢を見ていることが証明できないため、現時点では断定することができていません。しかし、多くの研究者は犬は睡眠中に夢を見ている可能性が高いと推察しています。
まとめ
愛犬ぐっすり眠っている姿を見て、癒されている飼い主さんもたくさんいるでしょう。しかし、時には愛犬の思わぬ寝姿や行動に驚いたり、ハラハラしたりすることもあるのではないでしょうか。
この記事で紹介した行動や仕草は、基本的に心配する必要はないことばかりですが、少しでもおかしいと感じることがあれば、愛犬の様子をしっかり観察したうえで獣医師に相談するようにしてください。
