犬が死ぬかもしれない注意すべき『寄生虫』4選
気温が高くなる季節に注意したいのが、犬の『寄生虫』です。寄生虫は春頃から活動が活発になり、犬などの動物に寄生するようになります。
寄生虫は刺されるなどして痒みをもたらすだけでなく、病気を媒介するなどして時には犬の命を奪うこともある恐ろしい存在です。飼い主は犬につく寄生虫の種類や特徴を知り、予防に努めなくてはいけません。
そこで今回は数多く存在する寄生虫のなかから、犬が死んでしまう可能性がある特に注意したい寄生虫をご紹介します。
1.フィラリア
フィラリアは蚊が媒介する寄生虫です。別名では「犬糸状虫」と呼ばれるとおり、成虫になると素麺のような見た目になり、約30㎝もの長さになることがあります。
フィラリアは、フィラリアに寄生された蚊が吸血する際に犬の体内へ幼虫が侵入し感染します。幼虫は成長すると血管に侵入し、犬の心臓や肺動脈に寄生し、3~4ヶ月かけて成虫となります。
フィラリアに寄生された犬に現れる代表的な症状は次のとおりです。
- 呼吸困難
- 咳
- チアノーゼ
- 腹水
- 心不全
フィラリアの寿命は2~3年と言われていますので、その間新たなフィラリア感染が起こらないようにフィラリア予防薬を投与しながら、フィラリア成虫が死滅するのを待ちます。他にも様々な治療法がありますが、現在はこの方法がスタンダードではないでしょうか。フィラリアの成虫が死滅したとしても、心臓には後遺症が残ることが多く適切な治療が必要です。多数寄生している場合は命にかかわりますので、寄生される前に予防を行うようにしましょう。
2.マダニ
「マダニ」も、とても恐ろしい寄生虫です。マダニは公園や草むらなど身近な場所に潜んでおり、犬の体にくっついて吸血を行い、痒みや皮膚炎を引き起こします。
さらにマダニは、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の原因となるウイルスや、「バベシア症」を引き起こす原虫を媒介する可能性があります。
「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」を発症すると、犬は下痢や嘔吐、食欲不振、発熱の他、意識障害などで重症化すると命を落とすことも珍しくありません。また、SFTSにかかった犬から人間へウイルス感染が起こることがあります。犬の命を脅かすだけでなく、人への感染も起こる可能性がありますので要注意です。
一方、「バベシア症」も発症すると重度の貧血を起こし、放置すると致死率の高い病気です。マダニは犬が死んでしまう病気を媒介する、危険な寄生虫だと覚えておきましょう。
3.回虫
回虫は、犬の腸に寄生する寄生虫です。回虫に寄生された犬の糞に含まれる卵に触れることが主な感染経路だといわれており、人間も感染する可能性があります。
成犬は抵抗力があるため回虫に寄生されても無症状、もしくは下痢や嘔吐などの症状が現れるのみで重症化することはほとんどありませんが、生後間もない子犬が寄生されると、腸閉塞などを起こして死んでしまうことがあります。
4.犬鞭虫
「犬鞭虫」は犬の腸に寄生する寄生虫で、犬の便に排出された犬鞭虫の卵を経口摂取することで感染します。
寄生されても無症状の場合が多いですが、犬鞭虫の数が多い場合は次のような症状が犬に見られます。
- 下痢
- 嘔吐
- 血便
- 食欲不振
症状が重いと脱水症状や貧血を引き起こして死に至ることがあるため、衰弱しやすい高齢犬や子犬などは感染しないように特に気をつけましょう。
犬の寄生虫を予防する方法
犬の寄生虫は、動物病院で処方された寄生虫予防薬を使うことで防ぐことが可能です。
薬は寄生虫が活発になる4月~12月頃まで投薬するのが一般的ですが、住んでいる地域によって異なるため獣医師に確認してください。
予防薬には主に以下のタイプがあります。
- スポットタイプ
- 錠剤タイプ
- おやつタイプ
スポットタイプは犬の首の後ろに垂らす液状の薬で手軽に扱えますが、長毛犬だとベタベタしたり、体に触れられるのが苦手な犬には不向きです。
錠剤タイプは比較的低価格なことが多いですが、犬が嫌がって飲み込まないことがあります。犬が喜んで飲み込むことが多いのがおやつタイプですが、なかには怪しんで食べない犬もいるようです。
愛犬に合う薬を選び、確実に寄生虫を予防するようにしましょう。
まとめ
寄生虫は飼い主が気づかないうちに愛犬の体を蝕んでいることがあります。予防薬を適切に使えば確実に寄生虫を防ぐことが可能ですので、忘れずに投薬するようにしましょう。
正しい知識を身につけ、愛犬を寄生虫から守ってあげてくださいね。