犬が緊張している時の表情や振る舞い
性格的に緊張しやすいタイプの犬もいれば、相手やシチュエーションによって緊張しやすい場面があるというタイプの犬もいます。
我が家のポメラニアンは、とにかく社交的な性格で、犬も人もお出かけも大好きで、緊張する相手や場面のない犬かと思いきや、やはり動物病院では緊張してしまうタイプです。
あなたの愛犬は緊張しやすいタイプですか?愛犬が緊張しているのかどうかは、表情や振る舞いから探ることができます。
1.呼吸が荒くなる
犬が緊張している時、呼吸が荒くなることがあります。
緊張すると、交感神経が働きます。交感神経が活発に働くと、体の活動量が高まります。活動量が高まると、呼吸数が上がり、呼吸数と連動している心拍数も上がります。緊張度が増すほど、これらの働きも高まります。
少しの緊張では、犬の呼吸が少し荒くなった(浅く早くなった)ように感じられ、過度の緊張では、よだれが垂れるほど激しいパンティングをするようになります。
緊張から愛犬の呼吸が荒くなったなと感じたときは、今以上に呼吸が荒くならないよう、緊張を解いてあげることが大切だと思います。
激しいパンティングが治まらない時間が長く続くと、「チアノーゼ」という症状を起こすことがあります。これは、血液中の酸素量が不足した酸欠状態に陥ることです。心疾患や循環器疾患のある犬はとくに注意しましょう。
2.あくびが止まらなくなる
犬が緊張している時、あくびが止まらなくなることがあります。
あくびが出るのは、緊張状態にある心と体を解すための防衛本能です。緊張すると、呼吸が浅くなり、脳に送られる酸素量が低下します。
脳が酸素不足に陥ると、命を脅かすことがあります。脳の防衛本能が働き、酸素を補うため、あくびが出るのです。
緊張するであろう場面で、犬のあくびが止まらなくなったときは、過度の緊張状態にあると判断することができます。今すぐに緊張の原因から遠ざけてあげることが大切だと思います。
3.目を細めて笑う
犬が緊張している時、目を細めて笑うことがあります。
笑顔を作っているわけではありません。口元が笑っているかのように見えているのです。犬が緊張している時、目を細めて笑っているように見える表情のことを「ストレススマイル」と呼んでいます。
「カーミングシグナル」とも呼ぶことがあるのですが、自分の気持ちを落ち着かせるためにそのような表情をするのです。また、「ストレスサイン」とも呼ばれています。
犬が緊張している時に落ち着かせる秘訣や緊張させない方法
愛犬に緊張を与えている対象が犬や人である場合は、相手と一定の距離を取ることで、落ち着かせることができます。
愛犬に緊張を与えている対象が場所であり、その場所から離れることができない場合は、犬の視界を遮りましょう。クレートやキャリーバッグに入れるなどするとよいと思います。
初めて訪れる場所へ行くとき、慣れない場所へ行くとき、愛犬が苦手な場所に行くときは、必ずクレートやキャリーバッグを持って行くことで対処することができます。
可能であれば、おやつを与えることで気を紛らわせてあげる、という方法も有効的なのではないかと思います。
まとめ
犬が「緊張している時」の表情や振る舞いを3つ解説しました。
- 呼吸が荒くなる
- あくびが止まらなくなる
- 目を細めて笑う
愛犬は、どんな時に、何に対して緊張するのか、ということを把握することで、緊張させてしまう頻度を減らすことができるかと思います。
愛犬が苦手なことも把握しておきましょう。そして、苦手なものは、できるだけ回避しながら過ごせるとよいのではないでしょうか。