「秋田犬」が海外で人気なワケ
秋田犬が海外で広く知られるようになったのは、2009年に公開された映画『HACHI 約束の犬』がきっかけなのではないでしょうか。1987年に公開された日本映画『ハチ公物語』のリメイク作品です。
ハチ公は『亡くなった飼い主のことを渋谷駅で10年もの間ずっと待ち続けた』というエピソードが有名ですが、その忠誠心が、秋田犬が海外で人気なワケのひとつかもしれません。
そんな秋田犬は、日本では誰もが知る犬種ですが、ペットショップで秋田犬を見かけることはほとんどないのではないでしょうか。
私が南国地方に暮らしているからなのか、お散歩している秋田犬に出会ったことはありません。そもそも、日本での犬籍登録数がそう多くはないようなのです。
また、秋田犬の保存・保護活動を行っている方の話では、「秋田犬は生半可な気持ちでは絶対に飼ってはいけない」としています。
そんな「秋田犬」がなぜ海外で人気なのか、秋田犬の魅力を探ってみましょう。
ワンオーナードッグであること
秋田犬が海外で人気なワケは、ワンオーナードッグであることです。
忠犬ハチ公からも分かるように、ただひとりの飼い主に対して忠誠心を誓うのが、秋田犬の最大の特徴であると言えます。
ただ1匹のパートナーとの暮らしを望み、秋田犬を飼いたいと願う人が海外には多いのかもしれません。
ワンオーナードッグであることが、生半可な気持ちでは絶対に飼ってはいけないとされる理由でもあるため、迎えるまでには相当な心の準備が必要なのではないでしょうか。
自立心が高いこと
秋田犬が海外で人気なワケは、自立心が高いことです。
日本ではよく「ツンデレ」という言葉で表現されます。飼い主にデレデレと甘えたいときもあれば、ツンとした態度でそっけないこともあります。自立心が高く、ツンデレな態度は、日本犬の特徴でもあるのではないでしょうか。
大好きな飼い主に対しても一定の距離を保ちたがる柴犬のことを「柴距離」と表現することがありますよね。
これらは日本犬特有であり、海外の犬種にはあまり見られないのでしょう。そのことが、海外の人には新鮮で魅力的に感じられるのだと思います。
表情が可愛いこと
秋田犬が海外で人気なワケは、表情が可愛いことです。
特に、「切れ長でつぶらなアーモンド形の目が可愛い」とされているようです。また、目・鼻・口が中央寄りであることも、可愛らしい表情の理由かもしれません。
実は海外には、「アメリカン・アキタ」という犬種があることをご存じでしょうか。日本の秋田犬が先祖で、ジャーマン・シェパード・ドッグとの交配によって生み出されたそうです。
日本の秋田犬とは表情が全く違い、独自の進化を遂げていることが分かります。可愛らしい切れ長でつぶらなアーモンド形の目など、面影は感じられません。
「秋田犬」の飼い方のポイント
では、秋田犬を実際に飼う場合、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
外飼い?室内飼い?
秋田犬は、外飼いをされる飼い主も多いと聞きます。暑さにも寒さにも適応することができることが理由のようです。
そして、室内飼いをするためには、それなりのスペースを確保しなければなりません。
体重38kg~45kgほどの大型犬です。体高は70cmほどあります。窮屈なスペースでは、ストレスになるでしょう。
噛んでボロボロになるのが当たり前
ケージ、クレート、ベッドなど、噛んでボロボロになるのが当たり前と考えておくとよいとされています。
買い替える頻度が高いため、あまり高価なものではなく、丈夫なものを選ぶのがポイントです。
陶器やステンレスの食器
食器は、口が大きく、底が浅いものが適しています。
噛んでボロボロになるのが当たり前の秋田犬には、陶器やステンレスの食器を用意するのがポイントです。
ブラスチックでは、あっという間に噛んでボロボロになってしまうでしょう。
まとめ
日本でも海外でも「飼いたい!」と思う人が多い秋田犬ですが、決して飼いやすい犬種ではありません。
忠誠心が高いことで知られていますが、その忠誠心の高さが飼いにくい理由になることもあるようです。
トライアル期間を設けるなどし、自分や家族のライフスタイルに合った犬種なのか、適切なしつけやお世話をすることができるのか、じっくり考える時間が必要でしょう。