犬を死なせてしまうかもしれない『首輪』の特徴4つ 悲惨な事故を防ぐための注意点まで

犬を死なせてしまうかもしれない『首輪』の特徴4つ 悲惨な事故を防ぐための注意点まで

首輪は犬を飼ううえで絶対に欠かせないアイテムのひとつです。しかし、間違った選び方や使い方をすると、犬の命を脅かしてしまう可能性もあるということを覚えておいてください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

1.耐久性が低い素材が使われている

リボンをつけている犬

犬の首輪は素材やデザインの種類が豊富で、おしゃれアイテムとして考えている飼い主さんも少なくないと思います。首輪はつけている時間も長く、愛犬に似合っているものを使いたいという気持ちもよくわかります。

しかし、デザイン性を重視して首輪を選んでしまうと、知らないうちに愛犬を危険にさらしてしまう可能性があるので注意しましょう。

犬の体格や力に対して、強度や耐久性が低いものを選んでしまうと、使用中に壊れてしまうことがあります。やわらかくちぎれてしまう可能性のある布製のものやほどけやすい組み紐状のもの、留め具部分がプラスチック製のものは特に注意が必要です。

パチンと留めるプラスチック製のものは使いやすく人気ですが、瞬間的に強い力がかかったり、どこかにぶつけてしまったりしたときに割れてしまうことが多くあります。

首輪が壊れて外れると、犬が脱走して事故にあったり迷子になってしまったりすることがあるので、犬を守るためにも強度の高い素材が使われているか確認するようにしましょう。

使用する際の注意点

散歩で普通に歩いているときは問題なく使えていても、犬が突然走り出して強い力がかかると留め具が壊れたり首輪がちぎれたりすることがあります。首輪を選ぶときは、愛犬がフルパワーを出したときにかかる力を想定して、十分耐えられる強度を持つものを選択するようにしてください。また、留め具がプラスチック製のものでも、留める部分の左右に金属製のフックがついており、留め具をまたぐようにリードのナスカンをひっかけるものであれば安全性は高まります。

2.長年使っていて劣化している

伏せている茶色い犬

上質で丈夫な首輪を使っていたとしても、長年使い続けていると、少しずつ摩耗したり劣化したりして壊れる可能性が高まります。外の強い日差しや雨を受けることがある首輪は、どうしても劣化するものなので、ふとした拍子に破損してしまうことがあります。

そのため、何年も同じ首輪を使っている場合は、壊れてしまう可能性があるということをしっかりと認識しておきましょう。

使用する際の注意点

首輪は消耗品であると考えて、こまめに状態の確認をすることが大切です。毎日首輪をつけるときや愛犬をなでているときなどに、ほつれやヒビなどがないかチェックしてみてください。また、年に一度など交換時期を決めておくのもおすすめです。パッと見はあまり古くなっていないように感じても実は劣化している、ということもあるので注意しましょう。

3.サイズが合っていない

大きすぎる首輪をしている犬

犬の首輪はサイズをよく確認して購入する人が多いと思いますが、使っているうちに気がついたらサイズが合わなくなっていたということはめずらしくありません。

首の太さに対して小さすぎる首輪は、当然のことながらつけていて苦しく感じますし、呼吸困難に陥ってチアノーゼを起こすことがあります。さらに、首を動かすたびに皮膚と擦れて傷ができたり、首の筋肉や気管を傷つけたりすることもあり、犬に苦痛を与えてしまいます。

また、サイズが大きすぎる場合、使っているときに首から抜けてしまい、犬を危険にさらす可能性があります。車通りの多い道路などを歩いているときに外れてしまったら、犬が事故にあってしまう可能性は十分考えられます。

使用する際の注意点

愛犬の首輪のサイズが適正であるかは、定期的に確認することが必要です。成長期の犬は日々体格が変化していくため、こまめなチェックをしなければなりませんが、成犬やシニア犬でも常に同じサイズとは限らないので注意して下さい。また、サイズだけでなく太さにも注目して選ぶと、より愛犬に適した首輪が見つかります。基本的に小型犬は1~1.5cm、中型犬は2cm、大型犬は2.5~3cmを目安にしてください。ただし、イタリアングレーハウンドやウィペットなどのように、首が細長く頭が小さい犬種の場合は、首輪が抜けたり首に負担をかけたりしないように幅広のものを選んでください。

4.首が締まるタイプの首輪(チョークチェーン)

チョークチェーンをしている大型犬

犬が引っ張ると首が締まるタイプの首輪は「チョークチェーン」と呼ばれており、一昔前は訓練のためによく利用されていました。

確かにチョークチェーンを適切に使用して訓練をおこなうと、引っ張り癖が抑えられるため、優れた訓練用具だとされています。

しかし、チョークチェーンはただ締め付ければいいというものではなく、扱いが非常にむずかしいものです。一般の飼い主さんでは適切に扱うことはできず、ただ犬に苦痛を与えるだけの道具になってしまうことがあります。

適切な使い方をしなければ、犬が窒息して気を失ってしまったり、首を骨折してしまったりといった重大な事故が起きる可能性があります。最悪の場合、犬が命を落とすこともあるので、不用意に使用すべきではないでしょう。

使用する際の注意点

チョークチェーンは気軽に購入できる訓練道具ですが、使い方は非常にむずかしいということをしっかりと認識してください。見よう見まねで使ってしまうと、愛犬の命を脅かす恐れもあります。飼い主さんの判断で使用することは決してせずに、訓練士など扱いに慣れた専門家の指導の下でのみ使用するようにしてください。

まとめ

首輪を咥える大型犬

今回は、犬を死なせてしまうかもしれない「首輪」の特徴について解説しました。

犬にとって首輪は、命を守るために非常に重要なアイテムです。しかし、素材やサイズが犬に合っていなかったり、使い方が間違っていたりすると、反対に犬を危険にさらしてしまう可能性があります。

今回解説した内容を参考に、愛犬の首輪が本当に安全に使えているかどうかをぜひ定期的に確認してみてください。

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