犬に「人間用のハンドクリーム」を使っても大丈夫?
犬の肉球が乾燥しているとき、保湿剤として人間用のハンドクリームを使っても大丈夫です。実際に私も、愛犬の肉球の保湿に人間用のハンドクリームを使ったことがあります。
犬用の肉球クリームと人間用のハンドクリームの成分を比べてみると、それほど大きな違いはありません。
- グリセリン
- ラベンダーオイル
- ホホバオイル
- オリーブ油
- 椿油
- シアバター
このような成分がよく使われています。今あなたがお使いのハンドクリームにも含まれているのではないでしょうか。
もしも愛犬の肉球に急な保湿が必要になったときは、人間用のハンドクリームを代用して構いません。
ただし、いくつかの注意点がありますので事前に確認しておきましょう。
「人間用のハンドクリーム」で犬にとって危険な成分と注意点
では、犬に「人間用のハンドクリーム」を使う場合に、危険な成分と注意点について確認しておきましょう。
エタノール
人間用のハンドクリームには、「エタノール」という成分が含まれていることがあります。防腐剤として使用されることがよくある成分です。
犬が人間用のハンドクリームからエタノールを摂取してしまった場合、中毒症状を引き起こす恐れがあります。犬の体では分解することのできない成分だからです。
舐めてしまっては危険なので、犬にエタノールが含まれた人間用のハンドクリームは使用しないでください。
肉球の保湿として使用し、犬が手足を舐めた程度であれば心配はいりませんので、嘔吐や下痢などの症状に注意して、見守ってあげてください。
香料
人間用のハンドクリームには、香料という成分が含まれていることがあります。人間が香りを楽しむための成分であり、保湿作用のあるものではありません。
香料には、体の中に蓄積されてしまうもの、皮膚疾患を引き起こすもの、発がん性のあるものなどが報告されています。犬にも人間にも健康被害が及ぶかもしれない成分なんです。
そのため、犬に香料が含まれた人間用のハンドクリームは使用しないでください。肉球の保湿を目的として使用するのであれば、無香料のハンドクリームを選びましょう。
化粧品と医薬部外品
ドラッグストアなどで売られている人間用のハンドクリームには、「化粧品」と「医薬部外品」があります。
化粧品として売られている人間用のハンドクリームは、乾燥・ひび割れ・あかぎれなどを予防することが主な目的です。
医薬部外品として売られている人間用のハンドクリームは、乾燥・ひび割れ・あかぎれなどを改善することが主な目的で、抗炎症成分が含まれています。
愛犬の肉球の保湿を目的として人間用のハンドクリームを使用したいのであれば、化粧品として売られているものを選ぶとよいかと思います。
愛犬の肉球に炎症が起きている場合には、医薬部外品として売られている人間用のハンドクリームで改善しようとするのではなく、必ず動物病院で診てもらいましょう。
炎症があるときは使用しない
犬の肉球に炎症があるときは、人間用のハンドクリームを使用しないでください。より炎症を悪化させてしまう恐れがあります。
炎症の原因も分からず、人間用のハンドクリームを使用するのは危険です。愛犬の肉球に赤みや腫れが見られるときは、動物病院で診てもらいましょう。
手足を気にして舐めるときは使用しない
手足の皮膚や肉球に痒みや痛みがあるとき、犬が気にして舐めることがあります。乾燥が原因だからと人間用のハンドクリームを使用すると、結局は舐め取ってしまいます。
痒みや痛み、舐め続ける原因は、アトピー性皮膚炎や膿皮症や指間炎かもしれません。
人間用のハンドクリームでは治りません。適切な治療を受けずに放置すると悪化します。自然に治癒することは難しいです。必ず動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
犬に人間用のハンドクリームを使っても大丈夫です。愛犬の肉球を乾燥から守るための保湿を目的として使用する分には、大きな問題は起こらないでしょう。
ただし、注意しなければならない成分があります。犬に人間用のハンドクリームを使用するときは、エタノールや香料が含まれていないか確認してから使用しましょう。
愛犬のためにと、わざわざ人間用のハンドクリームを買うのではなく、初めから犬用のハンドクリーム(肉球クリーム)を買うようにしましょう。