犬の『おなら』が臭すぎるときに考えられる原因5つ 病気の可能性や対処法まで

犬の『おなら』が臭すぎるときに考えられる原因5つ 病気の可能性や対処法まで

『犬のおならが臭すぎるときに考えられる原因』についてまとめました。「おなら」は生理現象として起こりますが、健康であればニオイはほとんどありません。臭すぎるときは体調不良や病気を疑ってみる必要があります。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬がおならをする理由

自分のおしりを嗅ぐポメラニアン

おならは、お腹の中(消化管)に溜まったガスです。肛門から排出されます。肛門から放出されるガスを「おなら」、口から排出されるガスを「ゲップ」と言います。

お腹の中にガスが溜まるのは、「口から空気を飲み込むこと」と「体の中でガスが発生すること」が主な原因です。犬が食事をした後、ゲップをすることがありますよね。ごはんと一緒に飲み込んだ空気が排出されるからです。その空気は腸にも流れ込むことがあり、おならとして排出されます。

食べたものを消化する過程でガスが発生しますが、腸内細菌が関係すること、その腸内細菌のバランス、胃や腸の動きなどが影響し、おならを臭く感じることがあります。

とはいえ、ちょっと臭うかも…という程度であれば、それほど心配はありません。

もしも愛犬のおならが「臭すぎる」と感じることがあれば、胃や腸にトラブルが起きているかもしれません。腹痛・下痢・嘔吐の症状が出やすいので、注意して見守る必要があります。

犬の「おなら」が臭すぎるときに考えられる原因

おしりを上げたトイプードル

では、犬がする「おなら」のニオイがいつもと違って臭すぎる場合、何が原因なのでしょうか。

1.老化現象

シニア犬になると、胃や腸の動きが鈍くなります。これまで十分に消化することができていたドッグフードが、上手く消化されないまま腸に送られてしまうことがあります。

十分に消化することができなかったドッグフードは、腸内で悪玉菌が増える原因になることがあります。このとき、発生したガスによって、排出されたおならが臭すぎることがあります。

我が家のシニア犬たちには、ドライフードにお湯をかけ、やわらかくなったものを食べてもらうようにしています。消化不良による下痢や嘔吐、臭すぎるおならは一切なくなりましたので、対処法としておすすめできます。

他には、消化の良いドッグフードに切り替えてあげる対処法もあります。

2.腸炎

小腸・大腸に炎症が起きているとき、犬のおならが臭すぎることがあります。

消化不良によって腸炎が起こることがよくありますが、中毒やウイルス感染が原因であることもあります。

ごはんを食べず、下痢や嘔吐の症状があるときは、動物病院で診てもらいましょう。

3.胃炎

振り向いてトイレ中のトイ・プードル

胃の粘膜が刺激されたことによって炎症が起きているとき、犬のおならが臭すぎることがあります。

胃や腸の動きが鈍くなってしまうため、おならの回数が増えます。ごはんを食べず、下痢や嘔吐の症状が出たり、黒いタール便をしたりすることがあります。

黒いタール便が出るのは、消化管に出血があるためです。早急に動物病院で診てもらいましょう。

4.消化管腫瘍

胃や腸(小腸・大腸)に腫瘍ができているとき、犬のおならが臭すぎることがあります。

腫瘍によって、消化不良が起こったり、腸内環境が変化したりすることで、臭すぎるおならをすることがあります。

ごはんを食べず、下痢や嘔吐の症状が出ることがありますが、おならの回数が増えたこと、臭すぎるおならをすることで、胃や腸にトラブルが起きているかもと気づくことができれば、腫瘍の早期発見にも繋げることができます。

最近よく臭すぎるおならをするんだよな…と感じられたときは、動物病院で診てもらいましょう。

5.寄生虫感染

寄生虫に感染したとき、犬のおならが臭すぎることがあります。

犬の消化管に寄生する虫には、犬条虫・犬回虫・コクシジウム・ジアルジアなどがあります。消化管に虫が寄生すると、腸内環境が変化し、おならの回数が増えたり、臭すぎるおならをしたりすることがあります。

感染した場合、子犬は重症化しやすく、成犬は症状が出づらいという特徴があります。子犬を迎えたら、寄生虫の有無を検査することをおすすめします。

成犬のおならが臭すぎるときは、動物病院で便検査を受けましょう。

まとめ

伏せる柴犬のおしり

犬のおならが臭すぎるときに考えられる原因を5つ解説しました。

  • 老化現象
  • 腸炎
  • 胃炎
  • 消化管腫瘍
  • 寄生虫感染

おならは生理現象です。ニオイが少なければ心配いりません。

臭すぎるとき、嘔吐や下痢をするとき、タール便が出たときは、すぐに動物病院で診てもらいましょう。嘔吐物や下痢の状態にも注目し、より詳しく正確に獣医師に伝えましょう。

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