犬が『舐めてくる』心理5つ 飼い主のことをペロペロと舐める意味や注意点とは?

犬が『舐めてくる』心理5つ 飼い主のことをペロペロと舐める意味や注意点とは?

犬を飼っていれば、愛犬が顔や手足などをペロペロ「舐めてくる」ことは日常的にあるかと思います。では、犬がそのような行為をしてくるときの心理とはどのようなものなのでしょうか。この記事では、犬が飼い主のことをペロペロと「舐めてくる」心理やその際の注意点をご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬が飼い主を「舐めてくる」心理

飼い主を舐めるゴールデンレトリバー

犬はよくペロペロと顔や手を舐めてきますよね。愛犬から慕われているようで飼い主としてはとても嬉しく感じますが、その行為をしている時の愛犬の心理や意味は意外と理解していないのではないでしょうか。

そこで今回は、犬が飼い主を「舐めてくる」心理について解説します。

1.大好きと愛情を伝えている

犬の祖先は、親子や仲間同士で「舐める」という行為でコミュニケーションを図ってきました。

母犬が子犬の口元を舐めたり、群れの仲間同士が毛づくろいするように舐めあったり…。その名残が今も残っており、親愛の情を示す行為として飼い主さんを舐めています。

そしてこの場合の特徴は、顔や口周りをよく舐めることです。愛犬が嬉しそうに顔や口元をペロペロと舐めてきたら「大好き!」を伝えているサインですので「ありがとう」と優しく伝えてあげてください。

2.甘えたい

外出から帰宅したときに「会いたかったよ~!」という気持ちを爆発させるように、飼い主さんの顔を勢いよく舐める犬は多いでしょう。大好きな人に会えて寂しさから解放され、甘えたい思いがそうさせているのです。

「もっと僕のことを見て!」とスキンシップを求めている場合もあります。いずれにせよ、好意的な表現として顔や口元、手や腕を舐めることが多いです。

3.散歩やごはんを要求している

子犬は母犬の口を舐めて「お腹空いたよ」とアピールして知らせます。その習性が成長しても残っており、飼い主さんの口元を同じように舐めることがあります。

ごはんの要求だけではなく、「散歩行こうよ!」「おもちゃで遊んで」など何かしてほしいときにも顔や手を舐めることがよくあります。

舐められるのに根負けして要求に応えてしまうと、犬も学習して、自分の願いが叶うまで舐め続けることにもなりかねません。邪険にならない程度に制して、やめさせた方が良いでしょう。

4.良い匂いがする

飼い主さんが何か食べた後、愛犬に執拗に口を舐められることはありませんか?

犬の嗅覚はとても優れているため、食べ物の匂いが口元に残っており「美味しそうな匂いがする!」とペロペロと舐めて余韻を楽しんでいるのです。

元々「舐める」という行為自体が愛情表現ですが、頭や足、耳などを舐め続ける場合は汗や皮脂の匂いが気になっていることもあります。犬は匂いが強いものを好むので舐めていると考えられます。

5.飼い主を落ち着かせようとしている

飼い主さんがイライラしていたり、泣いていたりすると、その気持ちを落ち着かせようと顔や手を舐めることがあります。「僕がいるから大丈夫だよ」「そんなにイライラしないで」という意味を込めて落ち着かせようと舐め続けるのです。

愛犬を叱っているときに体の一部を舐めてくるのは「もう怒らないで」「落ち着いて」というサインです。長く叱ることに意味はありませんので、叱るのをやめて愛犬と向き合ってあげてくださいね。

飼い主を舐めるのはやめさせたほうが良い?

女性の口を舐めるダックスフンド

愛犬が顔や体の一部を舐めてくれるのは嬉しいですし、舐める理由を知れば納得できる方も多いでしょう。しかし、いくら大好きな愛犬であっても健康上のリスクは発生します。

犬の口内には非常に多くの菌が存在しており、ズーノーシス(人畜共通感染症)の危険性があります。特に、風邪などで免疫力が低下している人や、高齢者や小さなこどもは感染症にかかるリスクが高まります。

また、犬は自分のお尻や糞尿の匂いを嗅いだり、まれに舐めてしまうので、「カンピロバクター感染」にも注意が必要です。衛生面から気になる人もいるでしょう。

愛情表現とはいえ、過度に舐める行為はやめさせた方が良いといえます。落ち着いた声で制止したり、その場を離れて無視するなど舐める行為に反応を示さないよう徹底すると次第に落ち着いてきます。

まとめ

赤ちゃんを舐める犬

犬が人の顔などをペロペロと舐める心理についてご紹介しました。

この行為は愛情表現であることが多いですが、舐める部位やタイミングによって意味合いが少し異なります。愛犬の表情や仕草から気持ちを汲み取ってあげてくださいね。

菌感染の恐れもあるので、口周りはなるべく舐めないよう日頃からしつけをすると良いでしょう。

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