1.快適な場所を探している
犬が部屋のなかでウロウロと歩き、時々座っては立ち上がり、また移動する…ということをくり返している場合は、犬にとって快適な場所を探しているのかもしれません。
暑い日にひんやりとした床で寝そべったり、寒い日にあたたかな日なたで丸まったりと、犬はその時々で快適に休める場所を探すのがとても得意です。
また、ゆっくり休みたいときは静かな場所、飼い主さんのことが気になっているときは家族が見える場所など、気分によっても休む場所を変えることがあります。
そのようなことから、犬が部屋の中での居場所を変えながら徘徊しているときは、自分にとって心地良い場所を探していることが考えられます。
対処法
犬は自分にとって快適な場所を探すのが得意なので、このような場合は特別な対応はせず、優しく見守ってあげましょう。
ただし、なかなか落ち着ける場所が見つからないようであれば、部屋のなかに犬にとって快適な場所がない可能性もあります。
一度生活環境を見直して、犬が安心して心地よく過ごせる場所を用意してあげてください。
2.退屈で楽しいことを探している
一日の大半を部屋の中で過ごす犬は、退屈していることが多くあります。散歩や飼い主さんとの遊びの時間で満足した犬は、その時間を寝て過ごすということもありますが、なかには「何か楽しいことはないかな?」と部屋の中を探して歩く犬もいます。
特に若く好奇心旺盛な犬は、部屋のなかでも楽しいことや面白いことをいつも探しているかもしれません。このような気持ちが、部屋の中でのいたずらにつながってしまうこともあります。
対処法
仕事や家事、育児などで忙しく過ごしている飼い主さんは、犬につきっきりでかまってあげることがむずかしいでしょう。
そのようなときに、犬が部屋の中でウロウロ徘徊しながら何かを探しているようであれば、犬がひとりでも楽しめるおもちゃを用意してみてください。
3.不安やストレスを感じている
犬は快適な場所や楽しいことを求めてウロウロ歩き回るだけでなく、気持ちが落ち着かないことで徘徊してしまうこともあります。
人間でも緊張しているときにそわそわしてしまい、じっとしていられないということもあるでしょう。犬も同じような感覚で、不安や緊張、ストレス、恐怖、興奮などを抑えきれずに徘徊してしまうことがあります。
このような場合、顔がこわばっていたり、呼びかけに応じなかったり、黙々と歩き続けていたりする様子が見られます。
対処法
犬が不安感やストレスから徘徊してしまう場合は、その動きだけを止めてもあまり意味はありません。何に対してストレスを感じているかを突き止め、その原因を解消することが大切なのです。
原因が解消されることで、徘徊などのストレス行動も自然と落ち着いていくでしょう。
4.認知症や脳疾患の症状
犬の徘徊は、脳の機能や働きが原因で起こることもあります。
年齢を重ねた犬が部屋の中をウロウロと歩き回るようになったら、認知症(認知機能不全症候群)の症状があらわれていることが考えられます。認知症の場合、同じ場所をグルグルと回ったり、夜間に徘徊したりすることが多いのも特徴です。
また、なかにはてんかんなど、脳疾患が原因で徘徊することもあります。ぼんやりとしていたり攻撃的になったりと、様子がおかしいと感じたときはできるだけ早く動物病院を受診してください。
対処法
認知症が原因で徘徊している場合、徘徊そのものを止めることはむずかしいでしょう。
夜はしっかりと眠れるように昼間の活動量を増やしたり、壁や家具にぶつからないように環境を整えたりして、犬の心身の健康を保ってあげましょう。
まとめ
犬が部屋を何かを探しながらウロウロ歩き回ったり、当てもなく徘徊したりすることは多くの犬に見られる行動です。徘徊は決して悪いことではなく、必ず止める必要があるわけでもありません。
しかし、徘徊の原因を把握しておくことは大切です。犬が快適ですこやかに過ごせるように、生活リズムや環境を整えたり、必要に応じて動物病院で相談してみてください。