小型犬にも散歩は必要!
小型犬の場合、「あまり散歩をしなくても問題ない」と思っている飼い主さんもいるかもしれません。以前は、ペットショップなどでの販売時に「小さいから散歩がいらず、簡単に飼える」と説明されていたこともあるようです。
しかし、当然のことながら小型犬にも散歩は必要です。
確かに体が小さい分、大型犬が必要とする運動量とは異なりますが、散歩をする理由は体力を使わせることだけではないのです。
散歩では運動をすることで体力を発散するだけでなく、筋力をつけたり日光を浴びて体の免疫力を高めたりすることもできます。
また、外のにおいを嗅いだり風を感じたりすることで本能が満たされ、ストレスが解消されます。飼い主さんと一緒に歩いたり遊んだりすることに、大きな喜びを感じる犬も多いことでしょう。さらに、外に出て様々な音を聞いたり、人・犬に出会ったりして社会性を身につけることも大切です。
このように、心身の健康や成長のために、どんな犬にとっても散歩は必要なものだと考えられています。
小型犬に必要な散歩の回数や時間
小型犬に必要な散歩量は、「1日2回、20~30分程度」だと考えられています。しかし、これはあくまでも目安のため、個体差があるということを忘れないでください。
小型犬の中でも、体力の少ない子犬や老犬、病後の犬などは1日1回や1回15分程度の散歩でも満足することがあるでしょう。また、チワワやマルチーズ、シーズー、ペキニーズ、狆など活動性がそれほど高くない犬種も同様の場合があります。
反対に、小型犬であっても元々が狩猟や害獣駆除などの仕事をしていたテリア種やダックスフンドなどは、大型犬と変わりない運動量が必要となる場合もあります。
大切なことは、愛犬の年齢やライフステージ、体質、性格、季節などに合わせて、適切な運動量や内容を考えてあげることです。
犬の散歩量が適しているか判断する目安
愛犬の運動量が本当に足りているのか気になるときは、散歩中や散歩後の犬の様子をよく観察してみてください。
具体的には、散歩の後半(帰り道)の歩くスピードが前半よりも遅くなっているか、ということや、帰宅後に「ハッハッ」と短い呼吸をしているか、また散歩後しばらくすると眠ったり休んだりしているかなどを確認しましょう。
このような様子が見られれば、犬は体力的に満足していることが考えられます。
散歩後も飼い主さんの後をついて回って遊びに誘ったり、家の中を走り回ったりしているようであれば、散歩や運動が足りていないのかもしれません。その場合は、散歩量を増やして様子を確認してみましょう。
小型犬を散歩させるときの注意点
小型犬にも大型犬にも、体力発散やストレスケア、社会性を見つけるためなど様々な理由で散歩は必要です。
しかし、小型犬は体が小さく、足の骨が細く、関節が華奢なことも多いので、運動時に配慮が必要な場合もあります。体力を使わせるために自転車と並走させたり、階段を必要以上に歩かせたりといった過度な運動は控えましょう。
関節に負担がかかって、膝蓋骨脱臼や椎間板ヘルニア、骨折などを引き起こすことがあるので注意してください。たくさん運動させたいときも、ゆったりと長い時間歩くなど、小さな体に過剰な負担がかかりにくい方法を考えてあげましょう。
また、道路の排水溝や柵などに足が挟まったり、落下してしまったりといったトラブルもめずらしくありません。散歩中に思わぬ事故に遭わないよう、十分気をつけましょう。
まとめ
体は小さくても、犬は外に出て運動をしたり、自然と触れ合ったりすることが大好きな動物です。小型犬だからといって散歩がいらないということはなく、心身の健康を保つために毎日欠かさずにおこないたいものです。
愛犬の体調や様子を見ながら、適切な散歩の時間や内容を見極めて、一緒に散歩を楽しんでくださいね。