犬が「紐」を好きな理由
犬はさまざまなモノを使って遊ぶのが上手ですが、「紐」もそんな遊び道具のひとつになりえます。しかし、紐を遊び道具として与えてしまうと思わぬデメリットもあるようです。
そこで今回は、犬が「紐」を好きな理由について解説します。もし愛犬が紐が大好きな場合は、この機会に確認しておきましょう。
1.引っ張りっこして遊べるから
犬が紐を好きな理由のひとつは、引っ張りっこして遊べるからです。
多頭飼いをしていると、犬同士で紐を引っ張りっこして遊ぶことがあります。愛犬が紐を口にくわえているとき、取り返そうとした飼い主と引っ張りっこになってしまうこともあるのではないでしょうか。
犬用のおもちゃではない紐は、犬の歯に引っかかってしまうことがあり、歯が欠けてしまったり、歯茎を傷めてしまったり、怪我の原因にもなりやすいため注意が必要です。
紐で遊ぶことが好きな愛犬には、犬用の紐のおもちゃで遊ばせてあげましょう。
短い紐や長い紐のおもちゃ、細い紐や太い紐のおもちゃ、やわらかい紐や硬い紐のおもちゃなど種類も豊富にありますので、愛犬の好みで選ぶことができます。
2.紐を噛むことでストレス発散になるから
犬が紐を好きな理由は、噛むことでストレス発散になるからです。
「噛む」というリズム運動をすると、セロトニンという幸せホルモンの分泌が活性化されると言われています。また、『自律神経を整える作用がある』ということが、LOTTEの研究によって明らかにされています。
これは人間への効果ですが、犬が紐を噛むことには同じような効果や作用があり、ストレスの発散になっているのではないかと考えることができるのではないでしょうか。
3.紐を噛むことで歯茎や口の中の不快感を取り除きたい
犬が紐を好きな理由は、噛むことで歯茎や口の中の不快感を取り除きたいからです。
子犬の場合、乳歯が生えるとき、永久歯に生え変わるとき、歯茎にムズムズ感が生じることがあります。一方成犬やシニア犬の場合は、歯周病による歯茎のムズムズ感や口の中の不快感が慢性的に生じることがあります。
子犬には紐ではなく、子犬用の噛んで遊べるおもちゃを与えるとよいと思います。
成犬やシニア犬の口臭や歯石が気になる場合には、すぐに動物病院で診てもらいましょう。また、毎日の歯磨きを欠かさず、定期的な歯科検診を受けるようにしましょう。
4.狩りをしている気分を味わえるから
犬が紐を好きな理由は、狩りをしている気分を味わえるからです。
- 飼い主が投げた紐を追いかける
- 飼い主が投げた紐を捕まえる
- 捕まえた紐を振り回す
- 捕まえた紐を運ぶ
- 運んだ紐を噛む
このような行動をするのは、狩猟本能によるものです。
「追いかけて、捕まえて、飼い主に持ってきて渡す」という行動をするのも、飼い主と協力して狩りを行っている気分を味わっているのでしょう。
犬が紐をかじって遊んでいるときは、誤飲誤食に注意しましょう。紐を丸飲みしてしまったり、ちぎれた紐を食べてしまったりすることがあります。
犬を紐で遊ばせるときの注意点
基本的な「放せ」のしつけはできていますか?
犬を紐で遊ばせているとき、(取り上げた方がいいかも…)と、危険を感じることがあります。歯や歯茎を傷つけてしまいそうなとき、誤飲誤食をしてしまいそうなとき、犬同士で奪い合いの喧嘩になりそうなときなどです。
無理に奪おうとすると、犬が怪我をします。犬が飼い主の手を噛んでしまいます。犬同士の喧嘩がヒートアップしてしまいます。
トラブルを避けるため、「放せ」のしつけが必要なのです。紐で遊びながら練習することもできますので、しっかり覚えてもらえるようにしましょう。
まとめ
犬が紐を好きな理由を4つ解説しました。
- 引っ張りっこして遊べるから
- 紐を噛むことでストレス発散になるから
- 紐を噛むことで歯茎や口の中の不快感を取り除きたい
- 狩りをしている気分を味わえるから
愛犬が紐に興味を示すのであれば、引っ張りっこ遊びをしてみましょう。
飼い主とのスキンシップやコミュニケーションにもなりますし、「放せ」のしつけの練習にもなります。実は理にかなった遊び方なのです。