犬にとって「靴」が必要な瞬間
本来ならば、靴を履かせるということは、犬にとって必要なことではありません。犬はそもそも靴を履かずとも生活できるため、わざわざ靴を履かせてしまうことが犬にとってストレスになりやすいように思えますよね。
しかし実は、犬にとって「靴」が必要な瞬間があります。そこで今回は、そんな瞬間について解説します。
ただし、「絶対に靴を履かせた方が良い!」ということではありません。「こんなときは靴を履かせることでメリットがあるよ」という程度にとらえていただけるとよいかと思います。
1.汚れ防止と皮膚病の予防
お散歩の後、愛犬の手足をゴシゴシ拭いたり、洗ったりしてないでしょうか。
実はそのように手足をゴシゴシ洗ったり拭いたりすることは、犬の肉球の乾燥や炎症、指間炎など、皮膚病の原因になりやすい行為なのです。
とはいえ、濡れている雨上がりの地面は、どうしても泥で手足が汚れてしまいますし、お手入れを全くしないというわけにはいかないですよね。
愛犬の手足が汚れやすいときや、どうしてもお散歩の後は手足を洗わないとお家の中に入ってほしくない、という場合には、靴を履かせることで、愛犬の肉球や皮膚が汚れるのを防ぐことができます。
2.火傷と凍傷の予防
夏のアスファルトをお散歩するときは、靴を履かせることで、愛犬の肉球や手足を火傷から守ることができます。
また、冬の雪道をお散歩するときは、靴を履かせることで、肉球や手足を凍傷から守ることができます。さらに、雪道にまかれた融雪剤が付着することからも守ることができます。
冬は、雪道ではない場合でも、犬の肉球や手足がしもやけになってしまうことがあります。痒みや痛みなどの症状を伴うしもやけも、靴を履かせることで予防することができます。
3.怪我の防止
お散歩中や災害時、地面や床に落ちているガラスの破片や瓦礫などによる肉球や手足の怪我を防止することができます。
肉球にほんの小さな破片や棘が刺さってしまったとき、飼い主の目には見えないことがあります。動物病院を受診しても、どこに刺さっているか分からないことがあります。
舗装されていない道をお散歩するとき、植物の多い場所をお散歩するとき、災害時などのために靴を備えておくことで、怪我を防止したい瞬間に役立てることができます。
4.傷口の保護
肉球に炎症があるとき、手足を怪我しているとき、傷口を汚れから守り、感染症を引き起こすことがないよう保護することができます。
怪我をしていても、どうしてもお散歩に行きたがることがあります。どうしても外に出なければ排泄することができない犬もいるでしょう。
包帯やガーゼなどで傷口を覆っている場合でも、それらが汚れてしまっては…と、お散歩に行くことを我慢させることがあるのではないでしょうか。
傷口からの感染症は絶対に防がなければなりません。靴を履かせることで、怪我をしているときにもお散歩を楽しむことができ、安心してトイレに行くこともできるようになります。
まとめ
犬にとって靴が必要な瞬間を4つ解説しました。
- 汚れ防止と皮膚病の予防
- 火傷と凍傷の予防
- 怪我の防止
- 傷口の保護
犬はどうしても靴を嫌がります。履き慣れるまでにも相当な時間がかかるかも…と考えておくとよいと思います。履き慣れるための練習をするとき、嫌な経験として蓄積されてしまうと、練習することも靴を履くこともストレスになってしまいます。
ちなみに、愛犬に履かせる「靴」は、愛犬の手足に合ったサイズであること、用途に合った素材であることも大事ですが、『飼い主にとって履かせやすく脱がせやすい』ことも大事な要素です。実は靴を着脱させるときに、愛犬が最も嫌がるからです。
我が家の愛犬たちにも靴を履かせることがあるのですが、履かせるときに私がもたもたしてしまうと、「もう今日は絶対に履かないぞ!」と、機嫌を悪くさせてしまうことがあるのです。
靴を履くための練習は、自宅の室内や庭で行うのがおすすめです。いきなり高価な靴を買う必要はありません。練習用の靴は100円ショップの靴でもよいと思います。
練習中、愛犬に怪我を負わせてしまうことがないよう、十分に配慮して行うようにしましょう。