皆既日食に際してペットに対する注意喚起
4月8日アメリカの11の州では、月が太陽の光を完全に遮る皆既日食が観測されます。該当する地域では昼間の数分間、夜のような暗さになるということです。
多くの人々がこの地域への旅行を計画したり、観察用のメガネを入手したりと、期待に胸膨らませているようです。
しかし動物行動学者や動物保護団体の関係者は、皆既日食という非日常的な状態でのコンパニオンアニマルたちのために配慮や準備をして欲しいと呼びかけています。
日本で次の皆既日食が見られるのは2035年だそうですが、非日常の自然現象に対する動物への対策として興味深いのでご紹介します。
基本的に、動物は暗くなれば寝る
犬や猫の反応として最も可能性が高いのは、夜間の行動を示すことだそうです。
犬の場合、ベッドに入って丸くなったり、あくびやストレッチをするという行動が考えられます。犬種によっては、暗くなったことで遠吠えをするかもしれません。
完全室内飼いの猫では、多分ほとんど反応を示さないだろうとのことです。言われてみれば納得ですね。
しかし、真昼間のいつもと全く違う時間にいきなり空が暗くなるというのは、日食の仕組みや情報を知らない動物にとっては奇妙で異常な現象です。犬や猫によっては、このことが不安行動の引き金になる可能性もあります。
愛犬が特に怖がりで新しい体験に不安を示すことがわかっている場合には、日食が始まってから終わるまでの間、安全な場所で静かに過ごせるよう準備しておくことが推奨されています。
一番の注意点は、動物を人間の盛り上がりに巻き込まないこと
皆既日食そのものが犬や猫に及ぼす影響は上記のように限定的だと考えられるそうですが、最も気をつけなくてはいけないのは、天体ショーを観ている人間たちの興奮や盛り上がりに、動物を巻き込まないことだと獣医師や動物行動学者が注意を促しています。
基本的に動物は太陽を直接見ることはしないので、網膜を傷めてしまう可能性は低いのですが、愛犬に日食を見るように促すことは避けるよう言われています。特に犬は、飼い主が見ている方向を一緒になって見る傾向がありますので注意が必要です。
また日食が起きている間、外には大勢の人間が出て空を見上げています。いつもとは違う人間のテンションに動物が驚いたり興奮することが予想されますので、日食の間は犬や猫を完全に室内に入れておくことが強く推奨されています。
人間がワイワイ盛り上がる場所というのは、基本的には動物にとって快適ではありません。愛犬が理解できないことで人間が楽しみたい時には、愛犬には安全で快適な場所で過ごしてもらうことが重要です。
まとめ
アメリカでの皆既日食に向けて、ペットの犬や猫についての注意喚起が発信されているという話題をご紹介しました。
日本で住んでいる人には一見関係のないことのように見えますが、「犬を人間の興奮に巻き込まない」というのは、心に留めておきたいことです。
お花見や観光地の人混み、お祭りや花火大会などに愛犬を連れて行く人の姿はSNSなどでもしばしば見受けられますが、これらは犬を人間の興奮に巻き込んでトラブルの種を作っている例と言えます。
人間にしか理解できない楽しみは人間だけで、これもペットへの配慮のひとつと言えます。
《参考URL》
https://vet.osu.edu/news/tips-pet-owners-during-eclipse