犬に「日向ぼっこ」は必要なのか
愛犬が日向ぼっこを好むのであれば、必要であると言えます。
日の当たる窓辺で自ら日向ぼっこをするのであれば、クッションやベッドを置いてあげるとよいのではないでしょうか。日向ぼっこがしたくて、ベランダや庭に「出して~!」と騒ぐ犬もいますよね。
日向ぼっこをしている犬は、とても気持ち良さそうですよね。目を細めて微笑んでいるような表情からも気持ち良さが伝わります。
伏せの体勢で手足をビヨーンと伸ばすようにして日向ぼっこを楽しむ犬もいれば、横向きに寝転がって左右どちらにも日が当たるように何度も寝返りをして楽しむ犬もいます。
我が家の愛犬はよく仰向けに寝転がって日向ぼっこをしているので、「ちゃんとお腹まで干してえらいね♡」などと家族に声をかけられています。
犬が日向ぼっこを好きなのは、ただ気持ち良いからというだけではなく、健康の維持や促進のために重要な役割があるからなのです。日向ぼっこは、犬の健康のためにも必要であると言えます。
犬の健康のために「日向ぼっこ」が重要といわれる理由
太陽の光を浴びると、セロトニンという物質が分泌されます。「幸せホルモン」とも呼ばれています。
日向ぼっこをし、セロトニンが分泌されることにこそ、犬の健康の維持や促進のために重要な役割があります。
1.精神状態を安定させる
犬が日向ぼっこをし、セロトニンが分泌されることで、精神を安定させることができます。
セロトニンは、ストレスへの効能があるとされる脳内物質です。精神面での不調を防いだり、緩和させたりすることに役立ちます。そしてセロトニンの分子構造は、精神安定剤とよく似ているのだそうです。
「長時間のお留守番をさせる日が続いて、不安な思いをさせていた」「ストレスをため込んでいるかもしれない」というようなときは、愛犬にじっくり日向ぼっこをしてもらうことで、精神を安定させられるかと思います。
2.体内でビタミンDを生成する
犬が日向ぼっこをすると、日光に含まれている紫外線が皮膚に当たることで、体内でビタミンDを生成することができます。
ビタミンDには、カルシウムの吸収をサポートする働きがあり、犬の骨を丈夫にすることで、骨粗しょう症や骨折の予防に役立ちます。また、脳の機能を正常に維持する働き、免疫機能を向上させる働きもあり、犬の認知症予防に役立ちます。
一方ビタミンDが不足してしまうと、低カルシウム血症・糖尿病・高血圧・心疾患などの病気を発症するリスクが高まるとされています。
ビタミンDは、総合栄養食や療養食にも含まれていますが、犬の体内でも生成することのできる栄養素です。愛犬の病気の予防のためにも、積極的に日向ぼっこを取り入れてみましょう。
3.体内時計を正常化する
犬が日向ぼっこをすると、光の明暗によって、体内時計を正常化することができます。
若い犬の体内時計が狂ってしまうということは、あまりないことかもしれませんが、飼い主に付き合って夜更かしをする日が続くと、体調不良を起こしてしまうことがあります。
また、老犬になると、昼間に寝ている時間が増えることで、夜に眠れなくなってしまうことがよくあります。夜鳴きや徘徊の原因になってしまうこともあります。
そのようなときは、日向ぼっこをさせることで、体内時計を正常化させましょう。体が昼間に活動するモードへと切り替わり、夜には安心して落ち着いて眠ることができるようになるでしょう。
まとめ
愛犬の健康のために「日向ぼっこ」が重要と言われる理由を3つ解説しました。
- 精神状態を安定させる
- 体内でビタミンDを生成する
- 体内時計を正常化する
日光浴には、午前中が適しているとされています。日向ぼっこの健康効果を最大限に得るためには、朝のお散歩がおすすめです。
セロトニンが分泌されることで、精神が安定し、安心して機嫌よくお留守番することができるでしょう。お留守番中のイタズラや粗相の防止にも役立てられるのではないでしょうか。