犬の骨折の原因と種類
犬の骨折は、ソファーやベッドの上り下り、階段からの転落、飼い主の腕からの落下、交通事故による骨折、車や玄関のドアに挟まれたことによる骨折などが原因となることが多く、飼い主の目の前で起こることがよくあります。
強い衝撃と痛みに犬がパニックになってしまうことはもちろん、どのように対応したらいいのか分からない飼い主がパニックになることもあるでしょう。
骨折には「開放骨折」「閉鎖骨折」「完全骨折」「不全骨折」など、いくつかに分けることができ、骨折した箇所によっても異なりますし、かかる費用にも違いがあります。
開放骨折とは、皮膚から骨が露出している状態のことを言いますが、飼い主にもすぐに気づくことができる骨折です。一方、骨にヒビが入った状態のことを不全骨折と言いますが、たまに痛がるようなことがあるという程度で、診察を見送ってしまう場合もあるでしょう。
見た目や犬の様子で明らかに骨折しているということが分かるケースもありますが、見た目だけではどうしても判断しづらいケースがあります。
触れると嫌がったり痛がったりする、歩き方がおかしいときがある、お散歩に行きたがらないなど、少しの違和感や変化がある場合でも、なるべく早く動物病院へ連れて行くようにしましょう。
犬の骨折にかかる費用
犬の骨折にかかる費用は、検査・手術・入院を含め、20万円~30万円が目安です。ただし、動物病院によって費用は異なります。
軽度の骨折であり、ギプス固定での治療のみである場合、検査を含めて5万円程度で済む場合もあります。
治療や入院が長引く場合や高度な技術を要する手術が行われる場合では、50万円ほどの費用がかかることもあります。
しっぽの骨折に要注意!
「しっぽも骨折するの!?」と、驚かれる飼い主もいらっしゃるようですね。犬は、しっぽを骨折することもあるのです。
他の犬に咬みつかれたこと、車や玄関のドアに挟まれたこと、飼い主がしっぽを踏んでしまったことなどが原因として挙げられます。
骨折した部分がしっぽの付け根であった場合、神経の損傷を伴うことがあり、排尿や排便が上手くできなくなるなどの障害を負う可能性があります。
しっぽの骨が潰れたり、骨が露出したりしている場合では、感染症や壊死の可能性があり、一部を切断しなければならない場合もあります。
骨折は自然治癒できる?
骨が折れると、新しい骨が生まれ、折れた骨同士を繋げるための自己修復を行います。ほんの小さなヒビが入った程度の骨折であれば、自然治癒することもあるかもしれません。
しかし、正しく骨の修復が行われなかった場合、後遺症として、痛みが残ることがあります。手足の骨であった場合、手足が曲がったまま固定されてしまったり、歩けなくなってしまったりすることもあるでしょう。
折れた骨が自然治癒によって繋がった場合、手足が曲がってしまっていても、そこからの整復は大変困難なことで、費用も高額になるでしょう。
愛犬に骨折が疑われる場合には、すぐに動物病院へ行き、適切な検査を受けましょう。費用を心配される場合には、手術・入院・治療方針など、気軽に獣医師に相談しましょう。
まとめ
犬の骨折にかかる費用は次の通りです。動物病院によって費用が異なるため、目安の費用として認識してください。
- 20万円~30万円が目安
- 軽度の骨折でギプス固定のみの場合の費用は5万円程度
- 高度な技術を要する手術が行われる場合での費用は50万円程度
犬の骨折の多くは自宅で起きています。高い場所の上り下りをさせていませんか。ソファーくらいなら大丈夫だと思っていませんか。
愛犬の骨折の原因になるような行動はさせないようにしましょう。階段にはペットゲートを設置するなど、上り下りをさせないための対策をするとよいと思います。