犬の体調不良を察知するのは飼い主の役目
愛犬の体調不良に早い段階で飼い主が気づくことは、簡単ではありません。
犬達は体調が悪くなっても、飼い主に「痛い」「辛い」と言葉で伝えられませんし、野生時代の名残で本能的に体調不良を隠そうとするからです。飼い主が異変に気づいた時には、愛犬の体調が悪化していた…なんてことも多いでしょう。
犬の飼い主にはできるだけ早く愛犬の体調不良を察知し、動物病院へ連れて行くかどうかを決める判断力が求められます。緊急時に適切な判断をするためには、どんな症状が犬にとって危険な状態なのかを知っておかなくてはいけません。
犬の危険な「5つの症状」
ここからは、犬の危険な「症状」について解説します。飼い主として愛犬の健康管理が正しくできるよう、今一度確認しておきましょう。
1.嘔吐や下痢を繰り返す
嘔吐や下痢は犬によく見られる症状です。食べた物をすぐに吐き出してしまう「吐き戻し」や、軽度の下痢であれば様子を見るだけで問題がない場合も多いでしょう。
しかし、嘔吐や下痢を何度も繰り返す、症状が改善しないなどの状態であれば消化器疾患をはじめとする病気や、誤飲・誤食などが心配されます。
- 吐いた物や便に血が混じっている
- 排便する素振りを見せるのに便が出ない
- タール状で真っ黒な便をする
- 何度も繰り返し嘔吐、下痢をする
- 食欲や元気がない
上記の症状がある場合は、できるだけ早く動物病院へ連れて行きましょう。
2.食欲が無い
普段と比べて愛犬の食欲がない時は、何らかの病気にかかっている可能性が高いです。
健康な成犬で元気があり、他に症状が無い場合は食欲不振があっても2~3日は様子を見ても問題ありませんが、3日以上経っても食欲が無い場合は動物病院へ相談してみましょう。
なお、子犬や高齢犬の場合は、体力の低下や低血糖が心配なので、他に症状がなくても早めに獣医師に診せるようにしてください。
3.呼吸が荒い
犬が運動後でも無いのに「ハアハア」と荒い呼吸をしていたり、お腹を大きく動かしながら呼吸をしている場合は、犬が体内に酸素をうまく取り入れられず、呼吸が苦しくなっているサインです。
呼吸器疾患や心疾患、腹水が溜まることで肺が圧迫されているなどの原因が考えられますので、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
4.痙攣している
犬に痙攣の症状が出ているときは、
- てんかん発作
- 脳の炎症
- 脳腫瘍
- 腎不全、肝不全
- 中毒
- 低血糖
などの状態に陥っていると考えられます。
愛犬が痙攣を起こしたら、噛まれないように注意しながら落ち着いて動物病院へ連れて行きましょう。
なお、痙攣していた時間の記録や痙攣中の動画を残しておくと診察時に役に立ちます。
5.歯茎が真っ白になっている
犬の歯茎が真っ白になるのは貧血のサインです。
犬の貧血は、体内での出血や自己免疫性疾患など重大な病気の症状のひとつです。状況によっては輸血が必要になることもあります。
こちらも緊急性が高い症状ですので、すぐに動物病院で診察を受けてください。
まとめ
愛犬を病気から守るためには、日常的な健康チェックだけでなく、定期的に健康診断を受けることが大切です。一見元気そうに見えても、犬の体の中では病気が進行していることもあります。
血液検査やエコーなどで病気を早期に発見できれば治療も早く開始できるので、体調の管理は怠らないようにしましょう。
愛犬に今回解説したような症状が見られた場合は、迷わず速やかに動物病院へ行くようにしてくださいね。