犬の「降参です」サインとは
犬が言葉の代わりに見せてくるサインはさまざまですが、中には「降参です」という意味で見せてくるサインがあります。
そこで今回は、ワンコが人に見せる「降参です」のサインについて解説します。意外なサインも実は「降参です」という意味かもしれません。
1.ひっくり返ってお腹を見せる
こちらは有名な「降参」サインでしょう。犬たちに限りませんがお腹は身体のなかでも一番弱い部分で、これを相手に見せるということは「戦う意思はありません」という意味になります。
叱られたり威嚇されたりしてお腹を見せる仕草をした場合、犬は「もう降参降参!」と言っているということですね。
しかしこのお腹見せは、甘えのサインの場合もあります。尻尾をだらんとさせたり ぶんぶんと振ったままひっくり返ている場合は、「撫でて撫でて!」という甘えん坊のサインになります。
犬が本当に降参をしている場合、尻尾を丸めてお腹の上に乗せている状態のことが多いようです。
2.相手の顔を下から舐める
こちらは、子犬の際に母親に甘えるときの仕草が残っている「降参です」サインです。
もともとは子犬が母親の口もとを舐める仕草は、母親の胃の中にある未消化の食べ物を離乳食として吐き出してもらうためのものです。
これが離乳食の時機を過ぎても行われる場合、相手に対して自分が弱いことを示すサインにもなるのです。つまり、力も強く、怒られると怖い母親に対して甘えたりご機嫌をとったりする仕草から、相手に対して「もう降参だよ、あなたのことが好きだよ」という気持ちを表しています。
叱られたりした際、飼い主さんの顔や口元をちょこっと舐める仕草をする場合は、降参というより甘えながら「ごめんなさい」という意味が込められているようですね。
ただしこれは、姿勢を低くして下から舐める場合に限ります。上からぺろぺろとしつこく舐めてくる場合は降参の意味ではなく、遊びの一環で単純に甘えているだけです。
3.足の間に尻尾を挟む
こちらもよく見られるボディランゲージです。相手が強く、降参であったり恐怖や不安を感じていたりする場合、犬たちはしっぽを下げて戦う意思がないことを示します。叱られている時や相手の犬に唸られたりしたときによく見られます。
尻尾を下げることで身体の大きさを小さく見せ、弱そうな雰囲気や攻撃をする意思がないことを示すのでしょう。
同様に「背中を丸めて小さく見せる」というポーズも、犬の「降参です」のサインとみてよいでしょう。叱られてケージに帰るときなどにも、体を小さく見せるポーズがみられます。
4.知らんぷりをする
動物同士が目線を合わせるということは、戦う意思があると見なされます。そのため犬同士も、目線を合わせたままで近づくと、お互いに興奮が高まり攻撃を始めてしまうことがあります。
その状態を避けるため、犬同士は敵意がないことを示すために目線を逸らす・無視するという行動を見せます。
これは飼い主に対しても行われます。目線をふいっと逸らしたり、あからさまに無視をするように顔を背ける場合、「あなたに逆らって攻撃するつもりはありません」「敵意はありません」という気持ちが込められています。
叱られたときに、犬がふいっと目を逸らしたり知らんぷりをしていたりするように見える場合は、「もう降参だから怒らないで」と言っている状態です。「聞こえないよー、知らないよー」と言っているのではないのです。
ほかにも、飼い主側が興奮している状態であることが伝わり、その興奮を落ち着かせようとして無視することがあります。「もう分かったから落ち着いて。あなたを攻撃するつもりはないよ」という事ですね。
まとめ
今回は、犬の「降参です」サインについて解説しました。一般的に有名なものから、ちょっと意外なものもありますね。
今回解説した以外にも、犬がそれぞれの方法で「降参です」というサインを出していることもあります。
愛犬の仕草やその時の状況などを、一度改めて違った視点で観察してみるのも面白いかもしれませんよ。