犬のおやつの適量ってどれくらい?
普段から愛犬に何気なくおやつを与えているかと思いますが、1日の量は決めていますでしょうか。その量は本当に愛犬に適切な量でしょうか。
家族みんながそれぞれ愛犬におやつを与えていたら「実際、愛犬が1日にどれくらいの量のおやつを食べたのか、誰も把握できていない」などということもあるのではないでしょうか。
愛犬におやつを与えることは、飼い主とのスキンシップやコミュニケーションにも役立ちます。しつけトレーニングにも活用できます。しかし、与えすぎてしまっていては、元も子もありません。場合によっては与え過ぎで愛犬の健康に被害を与えてしまっている可能性も…。
そこで今回は、愛犬の健康を維持するため、そして病気の予防や長生きのためにも、犬のおやつの適量について、改めて一緒に考えてみましょう。
1日に必要な摂取カロリーを知ることが大事!
あくまでも目安ですが、犬が1日に必要とする摂取カロリーは、体重2kgで212kcal、10kgで630kcalとされています。
実際これは、犬種・年齢・活動量によって変りますので、1日に必要な摂取カロリーは算出が難しいです。そのため我が家の愛犬の適量は、獣医師に相談した上で計算してもらいました。
栄養バランスを崩すことなくおやつを与えるためには、『1日に与えても良いおやつの量を1日に必要な摂取カロリーの10%程度に抑えるようにすると良い』とされています。
たとえば1日に必要な摂取カロリーが300kcalである場合、ドッグフードで270kcal、おやつで30kcalという計算をすることができます。
とはいえ、「昼間におやつを与えすぎてしまったから、夕ごはんを減らそう!」という対処をしてはいけません。ごはんはいつも通り与え、次の日からまたおやつを与えすぎないように注意すれば大丈夫です。
回数を多くすることが大事!
犬は、一度に食べたおやつの量が多いことよりも、1日に食べたおやつの回数が多いことの方が喜びを感じます。
犬は人間のように味わって食べることはありません。2回3回ほど噛んで飲み込む犬もいますし、全く噛まずに丸飲みしてしまう犬もいます。
ですから、1回に与えるおやつの量は少なくて良いのです。小さなおやつを1日数回に分けて与えた方が喜びます。
犬におやつを与えすぎることのデメリット
では、犬におやつを与えすぎてしまうと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
誰もが思いつくのが「肥満」です。肥満は生活習慣病とも呼ばれ、おやつの与えすぎによって肥満を抱える犬は年々増え続けているようです。
合併症として、呼吸器系や循環器系の病気を持つ犬も増えています。健康寿命を短くし、長く生きることができなくなってしまうかもしれません。
実際、激しい咳をするようになったり、呼吸が困難になったりするまで気づかなかった、という飼い主もいらっしゃるそうです。
さらに、最近人も犬も、何かと「タンパク質ブーム」ではないでしょうか。人間であればプロテインドリンク、犬であれば高タンパク質とパッケージに表示されたおやつを目にする機会が増えています。
ドッグフードが総合栄養なのであれば、食事から1日に必要なタンパク質量を摂ることができているはずです。さらにおやつからも摂取するとなると、タンパク質の過剰摂取になることがあります。
犬は高タンパク質なおやつを好みます。ササミジャーキーやビーフジャーキーなどが代表格ですよね。
犬がタンパク質を過剰摂取すると、消化の際に肝臓や腎臓に大きな負担がかかります。過剰摂取したタンパク質は体脂肪として蓄えられます。つまり、肥満などの病気にも繋がる恐れもあるのです。
(最近おやつ与えすぎかな?)(ちょっと肥満気味なのでは?)と思われる場合には、肥満・呼吸器系・循環器系を中心に愛犬の健康診断を受けに行きましょう。
まとめ
犬のおやつの適量は、「1日に必要な摂取カロリーの10%程度」であるとされています。愛犬の1日に必要な摂取カロリーは、ぜひ獣医師に相談してみてください。
どうしてもご自分で計算してみたいと思われる方には、次のような方法があります。
【適正体重×30+70)×指数=摂取カロリーkcal/日】
※指数に入る数
- 生後4カ月までの子犬は「3」
- ~1歳までは「2」
- 避妊済去勢済の成犬は「1.6」
- 未避妊未去勢の成犬は「1.8」
- 避妊済去勢済の7歳以上のシニア犬は「1.2」
- 未避妊未去勢の7歳以上のシニア犬は「1.4」
ただしこちらはあくまでも「目安」です。参考程度に計算したい場合にご活用ください。