犬を人間扱いする飼い主急増…犬に負担をかけていることも
犬は昔から大切な家族の一員として飼育されてきた動物です。しかし、近年は犬への愛情に拍車がかかり、より犬と一緒に生活する上で豊かになるグッズや商業施設など、さまざまなサービスが展開されています。
このように犬に関連するサービス事業が盛り上がることは良いことです。しかし、犬との関係性や犬の立場への理解を誤り、犬を『人間扱い』してしまう飼い主が増えていることが問題視されています。
犬を人間と同じように扱ってしまうと、犬と人間は全く別の生き物であるため犬に大きな負担がかかったり、最悪の場合には健康被害につながる危険性があります。
犬を飼っている方は、あらためて自分の愛犬が「犬」であることを理解し、愛犬がより快適に過ごせるような接し方や環境づくりを心がけましょう。
愛犬を『人間扱い』するのが危険な4つの理由
愛犬を人間扱いしてしまうと、どのような危険性が考えられるのでしょうか。ここでは、愛犬を『人間扱い』するのが危険な理由を解説するので、あらためてご自身の認識を見直す機会にしてください。
1.体に適していない食事により消化不良に陥る恐れ
人間と同じような食事を犬に与えてしまうと、犬にとって有毒性のある食材が使われていたり、消化しにくい食事を摂取してしまう恐れがあります。
例えば「野菜は健康に良い」と言われますが、肉食動物の犬にとって野菜を摂取しすぎると消化不良を引き起こしてしまいます。下痢や嘔吐、腹痛、食欲不振の原因になるため、食事は犬に適したドッグフードや少量の食材にとどめましょう。
2.過剰な刺激により大きなストレスや疲労につながりやすい
犬を人間の子どもと同じ感覚で接してしまうと、自分と一緒にいろんな場所へ連れて行ったり、さまざまな体験をさせたいと考える飼い主さんも多いでしょう。
しかし、犬は人間ではなく警戒心の強い動物です。人の多い場所や騒々しい場所に連れて行ってしまうと、強いストレスや過剰な疲労につながってしまいます。
3.人間の子どもと同じようなスキンシップは犬の負担になる
人間の子どもが相手であれば、ぎゅっとハグしたり頬にキスしたりすることもあるでしょう。しかし犬に同じ行為をしてしまうと、犬に負担をかけたり飼い主に悪影響が及ぶこともあります。
人間の子どもにするようにぎゅっとハグしてしまうと、犬は飼い主が相手でも緊張することがあります。ストレスにつながるので、犬と接する際は適切なスキンシップを心がけましょう。
4.長く飼い主といることで分離不安症になる
我が子のように愛情を注いでいる飼い主さんは多いと思います。しかし可哀想だからと四六時中一緒にいると、飼い主に対する依存度が高まってしまい危険です。
飼い主に依存し過ぎてしまうと分離不安に陥り、飼い主が少し姿を消しただけで強いストレスや不安に襲われます。体調不良や問題行動、自傷行為につながる危険性もあるので、適切な距離感を意識しましょう。
犬は大事な家族でありながら「犬」であることを意識するべし!
犬が大事な家族の一員であることは明白です。だからといって、人間ではなく「犬」であることを忘れてはいけません。
犬と人間は体の構造も考え方も習性も異なります。もちろん言語の有無やコミュニケーション方法も違います。
このことをあらためて認識し、愛犬が快適に「犬」としてできる限り伸び伸びと、そして健康的に暮らせるような生活環境や接し方を意識してみてください。
まとめ
いかがでしたか。犬は私たちにとって大切な家族の一員であるため、つい人間扱いしたくなることもあるでしょう。しかし、犬は「犬」らしく生きることが最も健康的であり幸せです。その点をあらためて再認識してください。