1.犬自身が怪我をする
留守番中に飼い主さんが帰ってきたとき、大喜びで走って迎えに来たり、大好きな友達の犬に会って飛びつくように遊びだしたりすることがあると思います。
そのように喜びの気持ちを爆発させるように、全身を使って表現する犬はたくさんいます。その様子はとてもかわいいものですが、状況によっては犬自身が怪我をしてしまうことがあるのです。
フローリングの上を走った犬が滑って転んだり、段差や階段から落ちてしまったりして、関節を痛めたり骨折したりといった大きな怪我を負うことはめずらしくありません。
また家の中では、家具や建具にぶつかって頭を打ったり切り傷ができたりすることもあります。
外の場合は、興奮状態になった拍子に飼い主さんがリードを放してしまい、交通事故にあったり脱走・迷子になったりすることも考えられます。
2.まわりの人や犬に迷惑をかける
犬が喜びのあまり興奮状態になったとき、トラブルが降りかかるのは犬自身だけではありません。
飼い主さんを含め、周囲の人や犬に様々な形で迷惑がかかってしまうことがあることを、しっかり認識しておきましょう。
相手に怪我をさせる
犬が大喜びしていると、その場をグルグル走り回ったり、まわりにいる人に飛びついたりしてしまうことがあります。また、周囲にいる犬や触ろうとしてきた人に思わず噛みついてしまったりすることもあるので注意しなければなりません。
もちろん、犬に攻撃の意思はないため、叱るのではなく冷静になれるようにトラブルが起こる前に対処する必要があります。
騒音トラブルが起こる
犬が大喜びするとき、走ったりジャンプしたりするだけでなく大きく響く声で「ワン!ワン!」と吠えることもあるでしょう。犬の大切な感情表現のひとつではありますが、吠え声が続くと近所迷惑になってしまうことが考えられます。
また、集合住宅で暮らしている場合、部屋の中で暴れ回ることで騒音トラブルが起こる可能性もあります。
3.周囲にあるものを破壊する
楽しいときやうれしいとき、思わずテンションが上がりすぎて、まわりが見えなくなってしまうことはありませんか。それは犬も同じで、大喜びしているときにまわりの様子に気を配れずに、物にぶつかったり踏みつけたりしてしまうことがあるのです。
そのため、家の中にあるものを壊してしまったり、テーブルの上などに置いてあるものを落としてしまったりすることがあります。
なかには、大型犬が興奮状態で網戸を突き破ったり、木製の室内ドアを壊してしまったりしたこともあるので、十分注意が必要です。
犬が大喜びしているときの適切な対処法
犬が大喜びしているとき、その気持ちに共感し、一緒になって喜ぶことは悪いことではありません。
しかし、犬の喜び方によっては上記のようなトラブルが起こる可能性があるので、適切な対応方法を知っておきましょう。
飼い主さんは冷静になる
犬が興奮状態になっていると感じたとき、飼い主さんは冷静になる必要があります。
飼い主さんも一緒になってはしゃいだり、大声を出してなだめようとしたりすると、犬は余計に興奮してしまいます。そのため、室内や近くに他人がいるときなど、犬を早く落ち着かせなければならないときは、飼い主さんが冷静に対応してください。
具体的には、犬と目を合わせずに黙り、短くリードを持って動かずにいる、またはその場から離れる、という対応です。
犬が「あれ?」と思って静かになったり、座って飼い主さんに注目したりしたら、優しく笑いかけてあげましょう。
基本的なしつけをしておく
犬が喜びのあまり興奮してしまったとき、できるだけ早く落ち着かせるためには、普段からの基本的なしつけが必要になります。
名前を呼んでアイコンタクトをとることや、「おすわり」「伏せ」「待て」というような動きの制御ができると、犬を素早く落ち着かせることができます。
もちろん、興奮しすぎているとすぐには言うことを聞けないと思いますが、このような基本的なトレーニングを普段から積み重ねておくことが大切です。
まとめ
犬がうれしかったり楽しかったりして、喜んでいる様子は見ていてとても可愛らしいですよね。思わずこちらも笑顔になりますし、一緒にはしゃぎたくなることもあるでしょう。
しかし、犬が喜びのあまり興奮状態になると、犬自身や飼い主さんはもちろん、周囲の人や犬を巻き込んでトラブルが起こる可能性があります。
喜んでいる気持ちは理解しつつも、できるだけ冷静に対応してトラブルを回避しましょう。