犬の『境界線トレーニング』って何?その効果とやり方、コツを解説

犬の『境界線トレーニング』って何?その効果とやり方、コツを解説

愛犬との生活に役立つ「境界線トレーニング」をご存じでしょうか。この記事では、「境界線トレーニング」の効果やトレーニング方法、コツなどを詳しく解説するので、ぜひ読んでみてくださいね。

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犬の「境界線トレーニング」とは?

ドアからのぞいている犬

犬の「境界線トレーニング」とは、実際に扉や柵などはないものの、「境界線」があるかのように犬の行動を制限できるようにするトレーニングのことです。

具体的には、入ってはいけない場所には「自由に入れる状態」であっても入らない、散歩中に勝手に進んではいけないときには飼い主さんからの許可があるまで動かない、というようなことが「境界線トレーニング」にあたります。

物理的な壁はなくとも、まるで線が引かれているかのように決められた場所を超えない、行動を止めるということを、犬自身が判断してできるようになることを目指します。

「境界線トレーニング」が役立つシーン

階段をのぼろうとしている犬

そもそもなぜ境界線トレーニングが必要か、そしてどのような場面で必要になるのか、ということをまずは知っておきましょう。

境界線トレーニングをおこなうことで、実際に役立つのは以下のようなシーンだと考えられます。

入ってはいけない場所に勝手に入らない

家の中で自由に動き回っている犬は多いと思いますが、実はあまり犬に入って欲しくない場所もあるでしょう。

キッチンには犬が興味を持ちそうな食材が置いてあったり、生ごみが入ったごみ箱があったり、危険な刃物が置いてあったりするのが普通です。犬がそれらに触れないように、きちんと片付けている家庭が多いと思いますが、できるだけ犬が入らないようにしておけば、より一層安心・安全が増すと思います。

また、浴槽にお湯が入っているお風呂場や、閉じ込め事故の多いドラム式洗濯機が置かれている洗面所なども、必要がないときには犬を近づけるべきではないでしょう。

さらに、飼い主さんが大切にしている洋服や楽器などが置いてある部屋やスペースに、万が一ドアが開いていたとしても入らないように教えておくのもおすすめです。

このような「入って欲しくない」「近づいて欲しくない」場所に、目を離しているときでも愛犬が入らないようにできるのが境界線トレーニングの効果なのです。

階段を勝手に使わない

自宅の中に階段がある場合、犬だけで階段を利用しないように教えたいという人もいると思います。

階段から落下して骨折などの大けがをしたり、長年の使用でひざや腰の関節を痛めたりすることがあるため、それを防ぐために境界線トレーニングで階段を使わせないようにするというのもひとつの手です。

玄関や窓が開いていても勝手に出ない

家の中で生活していると、外の様子に興味をひかれることもあると思います。そのため、玄関ドアや掃き出し窓が開いているすきに外に飛び出して、いなくなってしまうということもめずらしくありません。

脱走・迷子のトラブルを防ぐためにも、外に出るときは必ず飼い主さんと一緒に、または飼い主さんの許可を必ずもらう、という形で教えておくと安全です。玄関ドアや掃き出し窓のそばで、境界線トレーニングをおこなっておくといいでしょう。

また、飼い主さんの指示があってから外に出るように教えるのは、自宅だけでなく車にも活用したいものです。外出先で車から降ろすときに、犬が勝手に飛び出してしまうと思わぬ事故に遭う可能性があるので、自分から車を降りることがないように教えておくことも大切です。

勝手に道路を渡らない

散歩時などの安全を確保するために、まずはリードを引っ張らずに歩けるように教えることが大切です。

さらに、境界線トレーニングを利用して道路を横断するときなどは、犬が勝手に進まないように教えられるとよりよいでしょう。

道路を渡る前に「一度止まって座る」「飼い主さんとアイコンタクトを取る」などの行動ができれば、飼い主さんからの指示で動き出せるようになると思います。

「境界線トレーニング」のやり方

クリッカーをくわえている犬

境界線トレーニングをするうえで、まず意識したいことは犬自身が正しい行動を選択できるように教えることです。

犬が正しい行動(=「境界」を越えない)を取ったときに、それを見逃さずしっかりほめてあげることが大切です。

例えば、特定の部屋のドアを勝手に出入りしないようにしたいときには、まず犬をドアの前で待たせた状態でほんの少しだけドアを開きます。

そのとき、犬が立ち上がったり前に進んだりしなければ「Good!」などのほめ言葉をかけるとともに、ごほうび(=おやつやスキンシップなどその犬が喜ぶこと)を与えます。そして、ドアをさらに大きく開けても動かなければ、またごほうびを与えます。

犬が動こうとしたら、ドアをパタンと閉めます。その後、また少しだけドアを開けて、同じことをくり返します。

全く止まっていられずにすぐ動いてしまう場合は、一度トレーニングをやめてしまいましょう。少し時間をあけてからトレーニングを再開してください。

「ドアを開けても動かなければごほうびがもらえて、勝手に動くともらえない」ということをひたすらくり返すと、犬はごほうびがもらえるときともらえないときの違いを考えます。そして、もらうためにはどうしたらいいかを判断して、行動するようになります。

これは境界線トレーニングのほんの導入部分にすぎませんが、このようなスモールステップを根気よくくり返すことで、犬が「どう行動すればいいことがあるか」ということを考えられる
ようになるのです。

まとめ

おやつをもらっているウェスティ

犬の境界線トレーニングは、愛犬の安全と飼い主さんの快適な生活を守るために、とても役立つトレーニングです。

しかし、ただ行動を制限するだけでなく、犬の判断力を育てる必要もあるため、習得するまでに少し時間がかかると思います。

飼い主さんの根気も必要ですので、焦らず少しずつ進めていくことを意識してくださいね。

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