1.吠えている原因に慣らす
犬が吠えているときに適切な対応をするために大切なのは、まず「犬が吠える原因」を知ることです。何に対して、どのような心理で吠えているのかを把握しなければ、やめさせるために必要な対応ができないのです。
犬が吠えるのは、威嚇や攻撃のためだけでなく、警戒心や不安、喜び、楽しさなど様々な感情がもととなっていて、飼い主さんに自分の気持ちを伝えるために吠えることもあります。
いずれの場合でも、興奮状態になってしまっていることが考えられるため、吠えるのをやめさせるためには、犬の気持ちを落ち着かせることが必要です。
そのためには、『吠えの原因に対して慣れさせることが効果的だ』と考えられています。
たとえば見慣れないものに恐怖や不安を感じている場合は、何度もそれに触れることで次第に慣れて恐怖や不安が薄れていきます。
また、警戒心で窓の外に向かって吠えてしまう場合でも、外に人影や犬が見える度にほめたりおやつをあげたりする、というようなトレーニングにより、外を通る人に対するイメージが良くなり吠えが減るでしょう。
2.無視する
犬が吠えているときに飼い主さんがする対応として、最も適切な対応が「無視」だと考えられています。
愛犬が吠えていると、つい「うるさい!」「静かにしなさい」と大声で怒ったり、「どうしたの?」と体に触れてなだめようとしたりする飼い主さんは多くいます。しかし、それらの対応はどれも犬が余計に吠えてしまう原因となるので、注意しなければなりません。
犬が他人や苦手な犬に対して吠えているときに飼い主さんも大声を出すと、犬は「飼い主さんも応援してくれている」「攻撃に加勢してくれている」と勘違いしてしまうことがあります。
また、不安や恐怖、寂しさなどで吠えているときに、体に触れてなだめると「吠えると飼い主さんにかまってもらえる、ほめてもらえる」と思って、吠える回数が増える可能性もあります。
そうした勘違いによって吠える行動が強化(=増える)されてしまわないように、「犬が吠えても何も反応しない」方がいいと考えられています。
特に、飼い主さんにかまって欲しい、要求したいことがあるという気持ちで吠えている犬の場合は、無視することで「吠えても何もいいことがない」と学習して、吠えが減ります。
そして、いつもなら吠えるような状況で、吠えではない行動を犬がとったらぜひほめてあげてください。
3.体力やストレスを発散する
愛犬がいつもよりも吠えるようになったという場合には、運動不足やストレスなどが原因の一つになっている可能性があります。
犬は体力がありあまっているときやストレスを抱えているとき、体を思い切り動かしたり、物を破壊したり、吠えたりというような本能的な行動をとりたがる傾向があるのです。
そのため、いつもであれば吠えないような状況で愛犬が吠えていたり、長い時間吠え続けていたりする場合は、長めの散歩に出かけたり、おもちゃでひっぱりっこ遊びをしたりしてみましょう。
一見吠えをやめさせるトレーニングとは関係がないように感じますが、犬の吠えが増える根本的な要因を解消することで、自然と吠えが減ることも多いのです。
まとめ
犬が吠えるのは、決して悪いことではありません。犬にとって吠えることは、コミュニケーションをとる方法のひとつであり、ストレスを発散するための手段でもあるのです。
また、犬が吠えることのほとんどには、何かしらの意味があるということも覚えておきましょう。
しかし、あまりにも吠えることが多いと、飼い主さんにとっては負担になることがありますし、周囲の人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
吠えをできるだけ減らすためにも、愛犬がなぜ吠えているかということをしっかり把握してあげてくださいね。