1.大きな音がするもの
聴覚が敏感な犬は、大きな音が苦手だとされています。特に、「パーン!」とはじけるような音(発砲音)や「キーキー」といった甲高い金属音・機械音に、不快感や恐怖感を抱く犬は少なくありません。
一般的に、花火や雷などの音を怖がる犬は多いと思いますが、家の中にあるものだと掃除機やドライヤーを苦手に感じる犬が少なからずいます。これらは、ゴーゴーと大きな音を立てていることはもちろん、音をたてながら自分に迫ってきたり、熱い風が出て驚いたりすることも原因となって、苦手意識を持ってしまうことが多いようです。
また、傘を苦手に感じる犬もいて、これは突然自分の近くで「バサッ!」と音を立てながら大きく開くため、びっくりしてしまうことがあります。
2.強いにおいがするもの
聴覚と同様に嗅覚も優れている犬は、人間よりも苦手なにおいが多くあります。私たち人間にとって、いいにおいだと感じるものであっても犬にとっては刺激臭に感じられて、避けようとすることがあります。
家庭にある身近なもので犬が苦手に感じるのは、アルコールやタバコをはじめ、マニキュアや除光液などです。そのほかにも、飼い主さんがいいにおいだと好んで使っている柔軟剤や芳香剤、香水も、犬にとっては強すぎるにおいとして刺激になってしまうことがあります。
犬のケージやクッションに香りの強い消臭&芳香スプレーを使ったり、犬が過ごすスペースの近くに芳香剤やお香を置いたりすると、犬がストレスを感じてしまうことがあるので注意しましょう。
さらに、柑橘系のすっぱいにおいや香辛料も、犬が苦手なにおいなので、料理や食事のときに近くで使用しないなど気をつけてあげてください。
3.予想がつかない動きをするもの
犬は、予想がつかない動きをするものに不安や恐怖を感じることがあります。
最近では、自動で床の掃除をするロボット掃除機が部屋を動き回っているときに、犬が怖がってしまったり、攻撃してしまったりするというケースを多く聞きます。
特に、留守番中などに自動的に動き出すように設定されていると、犬はさらに驚いてしまうでしょう。このようなものを怖いと感じやすい犬が部屋にいるときは、使い方に注意してあげてください。
そのほかには、ラジコンなど子どもが遊ぶおもちゃなども不規則な動きをするものが多いので、使うときには愛犬の様子にも気を配ってあげましょう。
犬は見慣れないものが苦手!
犬は基本的に初めて見るもの、聞くもの、触れるものを苦手と感じる傾向があります。私たち人間でも、人見知りや場所見知りがあると思いますが、犬も同じように慣れないものに対して緊張してしまうことがあるのです。
強い恐怖を感じているというよりも、そうした場面で自分がどのような行動をしたらいいかわからない不安感を抱くようです。そのため、何度も経験させたり、飼い主さんがサポートしたりすることで、徐々に不安がなくなって、平常心でいられるようになるものです。
犬がいつでもどこでも落ち着いて過ごせるようにするためには、「社会化トレーニング」をおこなうことが大切です。
特に、生後3~4か月頃は「社会化期」と呼ばれ、初めて出会ったものに対しても、過度な恐怖心を抱くことなく接することができます。そのため、社会化期には健康管理を優先しつつ、積極的に色々な場所に連れて行って、経験を積ませてあげましょう。
まとめ
犬が苦手だと感じてしまうものは、家庭内や散歩コースなど身近な場所にあふれています。しかし、苦手なままで終わらせず、時間をかけて慣らしてあげることで、犬のストレスが減るのです。
まずは愛犬が苦手なものを知り、慣らしていくための社会化トレーニングをぜひ始めてみてくださいね。