1.トイレの失敗で怒られたことがある
犬が人がいないときにトイレをしたり、見られないように隠れてトイレをしたりする場合、人に見られることに不安を感じている可能性があります。
そして、その原因となっているのが、過去にトイレをしている最中やトイレをしたあとに、飼い主さんなどから叱られたという経験です。
トイレを失敗して他の場所でしてしまったとき、つい「だめでしょ!」と叱ってしまったり、無意識のうちにイライラしてため息をついたり…ということはしていませんか。
飼い主さんにそのような態度を取られると、犬はなぜ叱られたのか、なぜ飼い主さんが怒っているのかわからず、「トイレをしたこと自体」が悪いことだったのではないかと考えることがあります。
失敗の後に、きちんと正しいトイレの場所に誘導してほめることをすれば、犬は場所を間違えて叱られたことに気がつきやすいでしょう。しかし、ただ叱られただけでは、何がいけなかったのか理解できないのです。
そのような犬は、「飼い主さんの前でトイレをすると怒られる」と勘違いして、ソファやカーテンの陰に隠れてしようとすることがあります。また、飼い主さんが同じ部屋にいる間は、トイレを我慢してしまうこともあるでしょう。
改善方法や対策
トイレトレーニングでは、叱らないことが大切です。確かに、何度教えてもトイレの場所を覚えてくれず、部屋を汚されてしまうと、飼い主さんはイライラして疲れてしまうと思います。
しかし、イライラとした感情を犬にぶつけても、犬を怖がらせるだけですし、トイレの失敗が余計に続いてしまいやすくなります。
そのため、犬がトイレを失敗したときは、怒りたい気持ちをぐっとこらえて、冷静になってください。犬に声掛けをせず、黙って淡々と片付けましょう。その上で、次にトイレをしそうになったときは、きちんとトイレの場所まで誘導して、正しい場所でできたことをほめてあげてください。
根気のいるトレーニングではありますが、焦って叱ってもうまくはいかないので、ぜひ飼い主さんも落ち着いて対応してくださいね。
2.周囲に警戒している
犬にとってトイレ中の時間というのは、とても警戒心が高まるタイミングです。
なぜならば動物は、常に外敵に襲われたり危険が及んだりすることを警戒しているため、何かあったときに瞬時に対応できないトイレ中というのは、神経質になりやすいのです。
このような習性から、散歩中にトイレをする場所を決めるまでにとても時間がかかる犬もいますし、トイレをしようと思ったときに後ろに誰かが来るとやめてしまうということもめずらしくありません。
そのため、家に迎え入れたばかりのときや他の人や家にいるときなどに、なかなか人前でトイレをしない、ということが起こりやすいとされています。
犬は家庭内で外敵に襲われることなどはありませんが、トイレ中に警戒心を持ってしまうのは本能的なものなので、簡単にはなくならないでしょう。
しかし、飼い主さんと過ごしているときは安心してトイレをしてもらえるように、接し方に注意をしていく配慮は必要です。トイレ中に話しかけたり、触ったり、近くを通ったりすると、犬は警戒心を強めてしまいます。
犬がトイレをしている間は、できるだけ関わらないように静かに見守ってあげてください。
3.見られていると落ち着かない
犬が人がいる場所でトイレをしない場合、「人がいると何となく落ち着かない」と思っているのかもしれません。
犬の場合、トイレをすることに対して、人間のような恥ずかしさを感じるわけではありません。しかし、トイレ中というのは身動きがとれないため、神経質になりがちなタイミングで、人からの視線に敏感になることも考えられます。
特に、トイレトレーニングの真っ最中という場合、飼い主さんは失敗しないか気になって、トイレ中の愛犬を凝視してしまうことがあります。その緊張感を犬は感じ取り、落ち着いてトイレができなくなってしまうのです。
愛犬が人がいるときや人がいる場所でトイレをしたがらない犬の場合、トイレをしたそうな素振りが見られたら、あえて視線をそらしてあげましょう。犬をジッと見つめないことはもちろん、犬の様子をまったく気にしていないふりをして、何気なく過ごしてあげましょう。
まとめ
犬が人前でトイレをできないのは、動物として本能的に警戒心を持っていることや、過去に叱られた経験などが原因だと考えられています。
排泄は日常的におこなうことなので、愛犬ができるだけ安心してできるような環境に整えてあげましょう。
また、飼い主さんの接し方や態度も、愛犬の心理に大きな影響を及ぼすことがあると意識してみてくださいね。