1.おもちゃのように遊んでいる
犬は人の髪の毛にじゃれつくように遊んで、そのまま口に入れてしまったり、食べてしまったりすることがあります。
特に、髪が長くゆらゆらと揺れている様子を見たり、ふわふわしていたりすると、犬は興味を惹かれておもちゃのようにじゃれつきたくなってしまうようです。また、抱っこされているときなどに、髪の毛が近くにあると思わず口に入れたくなってしまうこともあります。
犬は髪の毛を食べるつもりではなく、遊びのつもりで噛みついているときに、髪が抜けてしまったり切れてしまったりしてしまうことは多くあります。口に入った髪の毛を犬がわざわざ出すという行動はあまりしないため、そのまま飲み込んでしまうのです。
2.においが気になる
人の髪の毛は、シャンプーやコンディショナー、整髪料などのにおいがします。また、食事のときの香りなどがわずかに残ってしまうこともあるでしょう。
嗅覚が優れている犬は、そうした様々なにおいを敏感に感じ取ります。そして、そのにおいが何なのか興味をひかれてさらに近くで嗅ごうとしたり、口に入れて確かめたりすることがあります。
犬が何かを確認するとき、口に入れるというのはごく自然な行動です。人間の赤ちゃんが何でも口に入れてしまうように、犬も同じような行動を取ります。
そしてそのまま飲み込んでしまうということも、めずらしいことではないのです。
3.ストレスが溜まっている
犬はストレスが溜まっているときや、不安感に襲われているときなど、無意識のうちに様々な行動を取ることがあります。犬に多く見られるのは、自分の前足を真っ赤になるほど舐め続けたり、血が出ていてもかまわずに尻尾の毛をむしったりという行動です。そのひとつとして、身近にいる飼い主さんの髪の毛を噛むという行動を取る犬もいるようです。
こうした無意識にくり返される行動によって、情緒を安定させるために使われる脳内物質が分泌されると考えられています。人間の貧乏ゆすりや爪噛みなどと同様で、その行動だけをやめさせようとしてもなかなかむずかしいものです。
4.髪の毛だと意識せずに食べている
人の髪の毛を食べる犬の中には、髪の毛を意識的に口に入れたり食べたりしているわけではない犬もいます。
特に子犬などに多く見られますが、好奇心旺盛で目にしたものすべてが気になる犬の場合、家の中に落ちているものを何でも口に入れてしまうことがあります。そのため、床にあるスリッパやクッション、犬用のおもちゃなどを探し回って口に入れることは多くあり、それに飼い主さんの髪の毛が付いていることも少なくないと思います。
家の床、特に角の当たりには抜け落ちた髪の毛やほこりが、どうしても溜まってしまいがちです。ふわふわと漂うほこりや汚れに、好奇心旺盛な犬が興味を持つのもごく自然なことでしょう。
犬が髪の毛を食べるリスクと対策
犬が大量の髪の毛を一度に食べることはあまりないと思いますが、少量ずつでも食べる機会が多いと身体的なトラブルが起こる可能性があるので注意しましょう。
猫は自分の体を毛づくろいしたあと、毛玉(ヘアボール)を吐き出すことができますが、犬は同じようなことはできないとされています。また、人の髪の毛を犬の体内で消化することもむずかしいと考えられています。
そのため、犬の体内に入った髪の毛は、基本的にウンチと一緒にそのまま出てきます。しかし、髪の量が多すぎたり、うまく排出できなかったりすると消化器官で詰まってしまったり、絡まってしまったりすることがあります。
また、人の髪の毛にはシャンプーや整髪料などが付着しているため、犬の体にとって思わぬ悪影響を及ぼす可能性も考えられます。
人の髪の毛はできるだけ食べさせるべきではないため、犬が髪の毛にじゃれついて遊ぶことはやめさせるようにしてください。また、犬の口に入る機会を減らすためにも、犬の生活スペースはこまめに掃除をするように心がけてください。
まとめ
犬が人の髪の毛を食べてしまうことは、めずらしいことではありません。特に、室内飼いをしている犬や好奇心旺盛で遊びが好きな犬は、意識せずに髪の毛を食べてしまうことがあるでしょう。
多少であれば問題ありませんが、頻度や量が多くなると嘔吐や腹痛など病気の原因となることもあるので注意が必要です。
髪の毛にじゃれて遊ぶことがある犬はできるだけやめさせるようにし、しっかり掃除をして清潔な環境を保つようにしてくださいね。