犬が仲間を失った時に見せる行動や症状とは
犬は群れで生活する動物であった名残りなのか、とても仲間を大切に思っているようです。そのため、ご家庭で一緒に飼育されている犬はお互いを群れの仲間と考え、相手に親しみを持って生活をしています。
その同居している相手が亡くなってしまったとき、『残された犬の性格によっては「ペットロス(仲間ロス)」を発症することがある』と言われています。これは実際に体験された方も多く、様々な例が報告されていますので確認しておきましょう。
1.食事をとらなくなる
仲間の犬が亡くなったとき、心理的なストレスからか食事を拒否あるいは食事に興味を失うという状態になる場合があります。人間同様に強いストレスがかかると食べなくなったり、気持ちは食べたいのに食べられなくなる、という犬は多いです。中には、おやつを見せても見向きもしなくなることもあるようです。
この場合、食事量が減ってがりがりに痩せてしまうこともありますが、相棒を亡くしたショックだと思っていると実はたまたま違う病気に罹患している可能性も。そのため、あまりに食べない場合は、一度病院で検査することも考慮に入れてください。
2.分離不安を発症する
それまで犬同士で遊ぶことが多く、人間が留守にしていたりちょっと席を外したくらいではびくともしなかった犬が、急にべたべたと甘えてくるようになったりちょっと離席しただけでパニックのように鳴きはじめるということが見られることがあります。
ひとりで部屋に置いていかれると激しく吠えたり、どこへ行くにも落ち着かずに後追いをしたり、物を破壊して人の興味を引こうとしたりする行動がエスカレートすることもあるようです。
また、同居犬のにおいがするところから一切動かなくなる子もいると言われています。
「ペットロス」になってしまった愛犬に飼い主ができること
人のペットロス対策同様、時が解決してくれるのをじっと待つほかありません。犬たちも同居犬がいなくなった悲しみやストレスを自分の中で折り合いをつけていくために、長い時間が必要な場合もあるからです。
あっけらかんとして同居犬の死を受け入れる子もいますし、これは本当に個体差があるものだと思います。
また、ペットロス対策に『新しい犬を迎える』という方法もあります。もともと多頭飼育されていた犬の場合は、大勢で暮らすことに慣れているため、新しい犬やペットを受け入れやすい傾向があります。
しかし動物同士、犬同士の相性や性格もあるため、性格があう犬同士であれば気がまぎれて残された犬たちも元気になりますが、性格が合わない場合は余計なストレスになってしまうため注意が必要でしょう。迎える犬については先住犬とお見合いをさせるなど、犬にも配慮をしてあげましょう。
また、新しく迎える場合はできるだけ子犬、または若齢犬のほうが上手くいくケースが多いような気がします。
先住犬が「世話好き」な犬の場合は、子犬や若い犬が新しく群れに入ってくると、世話をしなければと気が向くことで、亡くなった犬のことを考える時間が減って気分が上向くようになります。
まとめ
犬は感受性が豊かな動物です。同居犬がいなくなってもショックを受けますし、また人間の家族が進学や就職などで家を出ていく場合でも「ペットロス」と同様のことが起こる場合があります。
環境の変化を受け入れるためには、どうしても時間も必要です。同居犬が亡くなった場合、犬も少なからずショックを受けていると考えてその悲しみに寄り添ってあげてください。