犬のしつけにおけるNG行為
犬のしつけは、人間と暮らす犬にとって必要なことではありますが、ただの押し付けで終わらせずに、犬に対する配慮と理解が必要です。
そこで今回は、犬のしつけにおけるNG行為について解説します。ご自身のしつけのやり方を今一度確認してみましょう。
1.大きな声を出すこと
大きな声を出すことは、犬のしつけにおけるNG行為です。
言うことを聞かない時、思うようにコントロールできない時、犬が間違った行動をした時など、つい大きな声を出してしまうことがあるのではないでしょうか。
犬が他のことに気を取られている時、集中力が切れてしまった時など、大きな声を出すことで犬の注目を得ようとすることがあるのではないでしょうか。
飼い主の大きな声に驚いた犬が、一時的に注目してくれることはあります。一時的に間違った行動をやめることはあります。あくまでも一時的な効果であり、解決にはなりません。
配慮しなければならないことは、なぜ言うことを聞いてくれないのか、なぜトレーニングに集中してくれないのか、ということを理解することです。
犬の集中力はわずか5分程度しか保たれないとされています。大声を出しそうになる前にトレーニングを中断し、休憩を取るようにしてみてください。
2.叱る時に名前を呼ぶこと
叱る時に名前を呼ぶことは、犬のしつけにおけるNG行為です。
「○○!やめなさい!」と叱ったことのある飼い主は意外と多いものです。名前を呼んで叱ってしまうと、犬が名前に対してネガティブな印象を持ってしまいます。
名前を呼ばれるだけで叱られていると勘違いしてしまう犬もいます。名前を呼ばれた時に飼い主が怒っていると勘違いし、逃げたり隠れたりするようになってしまう犬もいます。
配慮しなければならないことは、名前を呼ばれた時の愛犬の気持ちを理解するということです。「嬉しい」「幸せ」「楽しい」「期待」などの気持ちを持ってもらえることが理想ですよね。
名前を呼ばれた時の愛犬の気持ちが「不安」「恐怖」「緊張」「逃げたい」「隠れたい」になってしまわないようにすることが大事です。
3.失敗を事後に厳しく叱ること
失敗を事後に厳しく叱ることは、犬のしつけにおけるNG行為です。
よくあるのが、トイレの失敗を事後に厳しく叱ってしまうことです。お留守番中、トイレ以外の場所で排泄をしてしまうことがありますよね。
帰宅した時に発見し、何でここでおしっこしたの!と叱っても、犬は理解することができません。何を叱られているのか分からないのです。
そもそもトイレの失敗は叱る必要さえありません。トイレのしつけの成功には、トイレで上手に排泄することができた時に褒めることが重要だからです。
配慮しなければならないことは、犬は失敗を事後に叱られても何を叱られているのか分からない、ということを理解することです。直後でなければ、何を叱られているのかを理解することが難しいのです。
4.上手くできなかった時に褒めること
上手くできなかった時に褒めることは、犬のしつけにおけるNG行為です。
半分くらいはできたから…今日はとりあえずOKってことにしよう!と、褒めるのはダメです。それは犬にとって成功体験にはなりません。
失敗した時はもちろん褒めないと思いますが、ちょっとできた時にも褒めてはいけないのです。完璧にできた時だけが成功であり、褒めるべき時です。
犬が失敗と成功をハッキリと区別することができるようにするための配慮である、ということを理解しなければなりません。
まとめ
犬のしつけにおけるNG行為を4つ解説しました。
- 大きな声を出すこと
- 叱る時に名前を呼ぶこと
- 失敗を事後に厳しく叱ること
- 上手くできなかった時に褒めること
しつけにおけるNG行為にさえ注意していれば、完璧にこなそう!と考えなくても大丈夫です。愛犬への配慮と理解を忘れなければ、しつけの失敗を恐れる必要もないはずです。
犬のしつけはなかなかスムーズに進むものではありません。悩むこともあります。くじけそうになることもあります。
しかしどんな時も愛犬の気持ちを第一に考え、愛犬のペースで進めてあげてくださいね。