1.必要なしつけをしない
愛犬のことを可愛く思う気持ちから、「怒れない」「怒りたくない」という飼い主さんもいると思います。しかし、愛犬の成長や関係性づくりのために必要なときにも叱らない、しつけをしないというのは、決していいこととは言えません。
しつけをすることは、犬の安全を守るためにとても大切で、犬が毎日を楽しく過ごしていくためにも必要なことです。しつけをしていないことで、飼い主さんを含む周囲との関係が悪くなってしまうこともありますし、犬自身がストレスを溜めてしまうこともあります。
さらに、いたずらで何かを誤飲してしまったり、外でのルールを守れず事故に遭ってしまったりといったことで命が脅かされてしまうこともあるのです。
「しつけ」というと怒ったり厳しい制限をしたりしなければならない、と考える人もいると思いますがそうではないのです。大切に思うがあまり甘やかすことは、愛犬のためにはならないということをぜひ理解しておいてください。
2.どこにでも連れて行く
愛犬と一緒にお出かけしたいと思う飼い主さんは多いと思いますし、実際に犬と一緒に出かけられる場所は日本でもとても増えてきています。レジャーや買い物を愛犬と一緒に楽しむのは決して悪いことではありませんが、「いつでもどこでも一緒」ということが犬にとってストレスになることも理解しておいてください。
人間にとっては楽しいショッピングモールやレジャー施設も、犬の性格によっては騒音や人混みによって不安やストレスを感じてしまうことがあります。
犬とお出かけをするときは、「本当に愛犬が楽しんでいるか」ということを見極めましょう。犬とのお出かけは、「飼い主さんが行きたい場所」よりも「愛犬が本当に楽しく過ごせる場所」を選ぶことを心がけてください。
また、留守番をさせることをかわいそうに感じて、ちょっとした外出にも連れて行く飼い主さんもいますが、犬がひとりで過ごせるように教えてあげることも大切です。いつも一緒にいすぎることで、いざ離れなければならないときに分離不安症を発症してしまうこともあるので、日頃から留守番の練習はさせておいた方がいいでしょう。
3.社会性を身につけさせない
「社会化」とは、簡単にいうと「あらゆるものに慣らす」ということです。犬が生きていく中で出会うであろう人や動物、音、景色、物など様々なものに慣らしておいて、それらに出会ったとき落ち着いて対応できるようにトレーニングすることは、とても大切なことです。
知らないものに対して、犬は警戒心を抱いたり不安を感じたりします。そのため、十分に社会化ができていないと、様々なものに対して怖がったりパニックを起こしたりするようになってしまうのです。
犬が怖がるような様子を見せたとき、時間をかけて少しずつ距離を縮めて慣らすことが必要ですが、そうしたことをせずに完全に遠ざけたり抱き上げて守ったりしてばかりいると、犬は社会化不足に陥ります。
飼い主さんが過剰に守りすぎてしまうと、犬は外で出会う色々なものに対して不安やストレスを感じ続けることになります。そのような犬は散歩やお出かけで外に出ても、心から楽しめないのです。
どこに行っても楽しくのびのびと過ごせる犬に育てるためには、過保護になりすぎずに愛犬の成長をサポートしたり見守ったりすることが必要だと思います。
4.愛犬が嫌がることを避ける
愛犬をかわいそうに思ってしつけをしないのと同様に、犬が嫌がるからといって必要なお世話をしないこともNGです。
ブラッシングや歯磨き、爪切りなどのケアを嫌がる犬は多いのですが、それを受けて飼い主さんが「嫌がるからかわいそう」と思ってケアをあまりしなくなってしまうと、健康を害する恐れがあります。
また、食事についても愛犬が欲しがるものばかりを与えたり、ドッグフードを食べないからところころ変えたりしていると、食事に対してわがままになってしまうでしょう。それが原因で肥満になったり、栄養が偏ったりすることもめずらしくないので、十分注意して対応しなければなりません。
愛犬のことを大切に思うのであれば、ただ可愛がるだけでなく必要なボディケアや食事管理を怠らないようにしてくださいね。
まとめ
愛犬のことが大好きで、こころから可愛く思っている飼い主さんはたくさんいると思います。しかし、その愛情がいきすぎてしまい、過保護とも言えるような接し方をしてしまうと、大切なはずの愛犬にストレスを与えたり、健康を害してしまったりする可能性があります。
愛犬のことを大切に思うのであれば、「本当に愛犬のためになることはなにか」を接することが必要です。その場を楽しくやり過ごすだけでなく、愛犬が一生を楽しくすこやかに生きていけるようにしっかりと考えてあげましょう。