逆くしゃみとは
『逆くしゃみ』という言葉は、あまり聞き慣れない人が多いかもしれません。これは英語の「reverse sneeze syndrome(リバース・スニーズ・シンドローム)」を日本語に直訳したもので、医学的には『発作性呼吸』とも呼ばれます。
息を激しく噴き出すくしゃみとは逆に、息を吸い込みながら「ブーブー」「ガーガー」と鼻や喉の奥を鳴らすのが特徴です。
その音や呼吸の仕方から「何か喉に詰まってしまったのだろうか」「息が苦しいのかもしれない」とハラハラしてしまいますが、実際には苦痛を伴うものではないと考えられています。
実際にわんこの逆くしゃみを聞いたことがない人だと言葉だけの説明では想像がつきにくいかもしれませんので、その場合は動画サイトなどで検索して、一度実際の逆くしゃみを聞いてみることをオススメします。
意外な傾向?逆くしゃみをしやすい犬
1.幼齢のわんこ
意外に思うかもしれませんが、逆くしゃみは若いわんこによく見られる症状です。と言うよりも、最初の発症が幼齢に現れることが多く、一度発症すると生涯に渡って発作を繰り返すと言われています。
逆に高齢になって突然発症することは稀なため、その場合には別の病気も疑ってみる必要があるでしょう。
2.小型犬
逆くしゃみは、中・大型犬よりも小型犬に好発する傾向にあることが知られています。
特に日本で人気の高い犬種であるチワワ、トイ・プードル、ミニチュアダックスフンドなどは発症例が多いため、愛犬がこれらの犬種で、おかしな音を立てながら吸気するようすが見られたら「あれ?もしかして?」と思い出してみましょう。
3.短頭種
パグやフレンチ・ブルドッグなど、いわゆる「鼻ぺちゃ」の短頭種のわんこは、その体つきゆえに生まれつき呼吸器疾患を患っていると言っても過言ではありません。そのため、呼吸器疾患である逆くしゃみも他の犬種より発症しやすくなっています。
危険はない?逆くしゃみの発作が続く場合
逆くしゃみの症状は上記でご紹介した通りですが、多い子だと数日おきに症状を繰り返す場合があるため、心配になってしまう飼い主さんも少なくありません。
逆くしゃみの原因は詳しくは解明されていませんが、鼻に何らかの刺激を受けた場合や、激しく興奮したときに発症しやすいと考えられています。
見た目や音は苦しそうに見えますが、逆くしゃみ自体に大きな健康被害を及ぼすような危険性はないため、症状が出ても放置していて問題ありません。
と言うよりも、予防法や治療法が現段階で存在しないため見守っているしかないというのが正確かもしれません。人間で言うと「しゃっくり」のようなものなのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?愛犬の逆くしゃみを見ると心配になってしまいますが、実際に、逆くしゃみが直接の原因で死亡した例や重篤な状態となった例はありません。
あまりに見ていられない場合には、背中をさすってあげたり、鼻に息を吹きかけてあげたりすると症状が止まったり楽になることがあるようです。愛犬が逆くしゃみをしがちな場合には、試してみてもいいかもしれませんよ。