犬にトラウマを植え付ける『4つの出来事』飼い主がすべき配慮やアフターケアは?

犬にトラウマを植え付ける『4つの出来事』飼い主がすべき配慮やアフターケアは?

犬も人間と同じく、過去の経験がトラウマになってしまうことがあります。この記事では『犬にトラウマを植え付ける出来事』とアフターケアの方法を紹介しますので、参考にしてください。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬にトラウマを植え付ける『4つの出来事』

車を見つめる犬の後ろ姿

「トラウマ」は、生死に関わるような何らかの強い恐怖や痛みによって負ってしまった「心の傷」ことを指します。

人間だけでなく、犬もなんらかの原因でトラウマになるような経験をすることがあります。なんらかのトラウマを抱えている犬は、そのトラウマが原因で日常生活がうまく送れないことも少なくありません。

今回は、犬にトラウマを植え付けてしまう出来事についてご紹介します。

1.飼い主に捨てられる

飼い主から捨てられた経験のある犬は、トラウマを抱えていることが多いでしょう。

信頼していた飼い主から突然見放され、知らない場所に置き去りにされた犬は心に大きな傷を負ってしまいます。

新しい飼い主に引き取られても、「また置いて行かれるかもしれない」と犬は不安になり、飼い主の姿が見えないとパニックになる分離不安症になってしまうケースが多いです。

2.虐待を受ける

犬のトラウマの原因として多いのが、飼い主からの虐待です。

その多くが「しつけ」と称した暴力であり、犬は痛みや恐怖から身を守るために攻撃的になったり、逆に心を閉ざして感情が乏しくなってしまうこともあります。

また、暴力だけでなく、犬に必要な世話やケアをしない「ネグレクト」も、犬にトラウマを植え付ける虐待行為です。

3.他の犬に襲われる

散歩やドッグランで、他の犬に襲われる経験も犬のトラウマになります。

襲われたことがトラウマになった犬は、他の犬を見たり鳴き声を聞いただけでパニックになることも。

自分の犬が相手にトラウマを与える加害者になることもありますので、散歩中は絶対にリードをつけて愛犬をコントロールできるようにしておきましょう。

4.自然災害

地震や落雷など、自然災害も犬のトラウマの原因となり得ます。人間が災害を経験するとトラウマになってしまうことが多いですが、犬も同じです。

また、雷だけでなく花火などの音も犬のトラウマになることがあります。

トラウマを抱えた愛犬に飼い主がすべき配慮やアフターケア

飼い主の手に顔を乗せる犬

犬のトラウマは、原因や程度によって対処法が異なります。まずは愛犬が何に対してトラウマを持っているのか理解することから始めましょう。

人の手や他の犬など、犬が苦手とするものに対しては少しずつ慣らすトレーニングを行うのが一般的です。しかし、トラウマは「苦手」というレベルではないことも多く、場合によってはトラウマの原因を徹底的に避ける配慮が必要となります。

いきなりトラウマの原因に慣らすのではなく、愛犬が普段から不安なく安心して暮らせるように意識してください。

犬が落ち着いて生活できるようになったら、根気強くトラウマと向き合っていきましょう。うまくできたら褒めるようにして、犬が「怖くない、楽しい」と感じることが大切です。

犬によってはトラウマによる傷が深く、トレーニングがうまくいかないこともありますが、決して無理強いしてはいけません。

なお、その犬のトラウマのレベルによっては、ドッグトレーナーや獣医師に対応の仕方を相談してみましょう。犬の状態に合わせた接し方を教えてもらえたり、精神を安定させる薬を処方してもらえることもあります。

まとめ

怯えている犬の横顔

犬のトラウマは予防するのが一番良いですが、事故や自然災害はいつ起きるか分かりませんし、保護犬が前の飼い主によってトラウマを受けつけられているケースも多いです。

愛犬が何かに怯えていたら、様子を観察して何に怖がっているのか考えてみてください。

トラウマは克服するのが難しいので、焦らずゆっくり不安感を取り除くことを意識するのが大切です。

虐待などでトラウマを負っていても、新しい飼い主さんの元で楽しく暮らしている犬はたくさんいますので、あきらめずに愛犬に合った方法でケアしてあげましょう。

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