1.マッサージ
老犬にとって、日々のマッサージは健康管理のためにとても大切なことです。
犬は年齢を重ねると、運動量が減って血行が滞りやすくなったり、体に痛みが出たりしやすくなります。そのため、毎日優しくなでるように全身のマッサージをおこなうと、そのようなトラブルを予防・軽減できるとされています。ぜひ取り入れるようにしてください。
強い力で押したりもみほぐしたりすると、反対に犬の体に負担をかけてしまうので、体の表面をなでるような感覚でタッチしてあげましょう。可能であれば、ツボ・リンパマッサージやTタッチなどを取り入れて、愛犬の体の状態や悩みに合わせたスキンシップをおこなうのもおすすめです。
もちろん、愛犬が嫌がるようであれば無理強いはしないようにし、犬が心地よいと感じる力加減やタッチの仕方を探ってみてくださいね。
2.散歩や日光浴
老犬になると、体力が落ちたり好奇心や意欲が薄れたりするため、散歩に興味を示さなくなることがあります。また、そんな犬の様子を見て、飼い主さんが必要はないと判断して散歩に行かなくなることもめずらしくありません。
しかし、いくつになっても犬にとって散歩は必要なものです。もちろん、犬が負担に感じるようであれば、無理やり連れだすのはNGですが、犬の体力に合わせて短い距離を歩いたり、抱っこで外に出して日光浴させたりするといいでしょう。
太陽の光を浴びると、体内でビタミンDが生成されるなど健康増進に役立ちます。さらに、外の空気を感じることで、精神が安定したり刺激を感じて気分転換したりといった効果も期待できます。
天気のいい日には、無理のない範囲で外に連れ出して、新鮮な空気と太陽の光を感じさせてあげてください。
3.消化しやすい食事
老犬になって消化能力が落ちると、健康な成犬のときに食べていた食事が体に負担をかけてしまうことがあります。胃腸での消化がうまくできなくなって嘔吐や下痢の原因になってしまったり、嚥下能力が落ちることで喉に食べ物をつまらせたりすることが考えられます。
そのため、犬が年齢を重ねてきたら、食事の内容や形状を見直して愛犬にとって食べやすい食事を用意してあげるようにしましょう。ドッグフードであれば、老犬用に作られたものを与えたり、ふやかして食べやすいように工夫したりしてみてください。
また、食事台などを使って、食べるときに下を向きすぎないようにしてあげるのもおすすめです。
4.適切なボディケア
老犬になると、様々な体のトラブルが出やすくなります。そのため、日々こまめにボディチェックをして、トラブルや疾患を早期発見することを意識しましょう。また、トラブルが起こらないように予防ケアをすることも大切です。
ブラッシングを毎日おこなうことで皮膚や被毛のトラブルをチェックしたり、歯磨きで老犬に多い歯周病の予防・ケアをしたりできます。
また、老犬になると足裏が乾燥しやすくなるうえに関節も弱くなるため、室内の床で滑って転倒してしまいやすくなります。そのため、若いとき以上に足裏のケアが必要だとされています。指の間から伸びる毛をカットしたり、肉球クリームを利用したりするといいでしょう。
ただし、老犬にとってボディケアは負担になることもあるので、短時間で手早く済ませてあげるようにしてください。
5.こまめなコミュニケーション
犬は年齢を重ねると、不安感が強くなることがあります。視覚や聴覚などの感覚が鈍くなって周囲の状況を感じ取ることがむずかしくなったり、体に痛みや疲れを感じやすくなったりすることが原因だと考えられています。
そのため、若いとき以上にアイコンタクトや声掛けなどのコミュニケーションをこまめに取るようにしてください。また、感覚の衰えた犬がびっくりしてしまわないように、声掛けやスキンシップの仕方を工夫してあげることも大切です。
また、これまでは平気でできていた留守番でも不安を感じるようになってしまうこともあるので、ひとりにさせるときにも安心して待っていられるような工夫をしてあげましょう。
まとめ
犬はあっという間に年を取ってしまいます。若く元気だった愛犬も、少しずつ体や心が変化して、様々なトラブルが起こりやすくなります。
老犬の心と体の健康を守るためには、こまめなスキンシップやコミュニケーションを心がけて、日々の状態や変化に気がつくことが必要です。
また、食事や散歩の仕方も年齢に合わせたものに工夫して、愛犬が心地よく楽しい毎日を過ごせるようにしてあげましょう。