愛犬がご飯を残す原因とは
犬はもともと間欠捕食者(intermittent eater)といって、多くの食べ物を「食いだめ」できる動物です。群れ単位で狩りを行い大型の動物を倒して食べる動物は、毎日同じだけ狩れるわけではないため、食べられるときにたくさん食べる習性があるのです。
そのため、犬はご飯の時間が一日一回という状態でも割と平気なのです。ただし、食べられるときに食いだめをする習性があるため、ご飯は与えられれば与えられただけ食べてしまい、結果として肥満になりやすい、というリスクもあります。
このように、犬は出された食べ物はしっかり食べる動物のはずなのですが、ご飯を残してしまう事もあります。
今回は、愛犬がご飯を残す原因について解説します。
1.多すぎる
いくら犬が食いだめが出来るといっても、毎食毎食たっぷり与えられすぎれば「もうお腹いっぱい過ぎて食べられない」と残すことがあるようです。
また犬にも個体差があり、食に対して貪欲な子もいれば、あまり興味がない子もいます。食べることにあまり興味がない子の場合、お皿に多すぎるご飯があると、それだけでお腹いっぱいとなって残してしまうことがあるのです。
決まったフードを与えている場合は体重や年齢ごとに適切な量が決まっているためそれを参考にし、フードの量を測らずに与えるのはやめましょう。また、食に興味が薄い犬の場合は、一度にたくさん与えず、小分けにしても良いかもしれません。
さらには、ご飯の前にしつけやご褒美のオヤツの与えすぎでお腹がいっぱい、ということもあるかもしれません。オヤツの量を見直すと、意外と残さずにご飯を食べるようになることもあります。
2.体調不良やストレス
人間も急に暑い日が続けば夏バテを起こして食欲がなくなりますし、頭が痛い・お腹が痛いなどの体調不良があれば食は進みません。犬も同様に、体調が思わしくないときは食欲が減り、自然と食事量が減ってしまうことがあります。
また、犬は強いストレスを感じたときにも食欲が落ちることがあります。
フードを変えたり、花火などの大きな音が聞こえたり、旅行や引越しなども犬にとっては大きなストレスです。避妊手術をしていない雌の場合は発情(ヒート)の前後もホルモンバランスが崩れるのか、食欲が落ちることがあります。
他にも、口内炎や虫歯、歯槽膿漏による歯のぐらつきなどの口内トラブルの場合、犬は食事自体を嫌がって食べなくなることがあります。その場合は、口臭やヨダレの量をよく観察してあげましょう。
食欲以外に何か症状がないか、食欲が落ちた前後で変わったことがないか、普段からよく観察して、もし愛犬の不調が続くようでしたら動物病院を受診しましょう。
3.フードが嫌い
毎日同じものを食べていて味に飽きてしまった、あるいはもともとこのフードのにおいが好みではない、という場合も食事を残してしまうことがあります。こちらの場合は犬の我儘とも言えますので、あまり心配はいりません。
フードのサイズが犬の口のサイズに合っていない、含有栄養がライフステージにそぐわない、という場合も食事を残すことがあります。その場合は犬に合わせたフードに切り替えてあげたほうが良いでしょう。
愛犬にご飯を食べてもらうためにできる工夫
もしわずか一日程度であれば、愛犬がご飯を多少残していても心配ありません。しかし、毎日のように続いてしまう場合は栄養不足が心配です。フードを残している理由を観察し、できるだけちゃんと食べられるように対策をしてあげる必要があります。
与えている量が多すぎたりオヤツを与えすぎていたりする場合は、犬の体重やライフステージ応じて量を調節してあげましょう。お腹が減れば食べるはずなので、食事量を少し減らして与えて様子を見てもいいかもしれません。食べなければすぐ片付け、次のお腹が空くタイミングで与えてください。
体調不良やストレスが原因の場合は、フードを犬の食べやすいものに切り替えてあげても良いでしょう。嗜好性の高いウェットタイプのフードにしてみたり、トッピングを付けても良いかもしれません。固すぎる、大きすぎると言った場合はふやかしてみると食べるかもしれませんね。
また「空腹は最大の調味料」です。健康な犬の場合は、お腹が空けば自然とご飯を食べます。日中にしっかり散歩や遊びなどで運動し、お腹を減らしてあげましょう。運動と食事が整うと、犬の体も筋肉がついて代謝が上がりさ、らに食事をしっかりとるようになります。
いずれの場合でも、「食べなかったらすぐ片付ける」「きちんと食べたら褒める」を繰り返し、愛犬に食事の時間を意識させることも大切です。
まとめ
今回は、愛犬がご飯を残す原因について解説しました。
犬の我儘以外にも、フードが口に合わなかったり、与えられる量が多すぎたりという理由で残すこともあれば、たまたま体調が悪く食欲が落ちている場合もあります。
また、運動不足では当然お腹が減らないため、普段からしっかり運動させることも、食欲のためには大切です。
いずれにせよ、明らかに深刻な体調不良があったり、連日で残すことが続くようであれば、迷わずすみやかに動物病院を受診してくださいね。