愛犬の『平熱』は何度?体温測定の必要性や自宅で行う際のコツと注意点を解説

愛犬の『平熱』は何度?体温測定の必要性や自宅で行う際のコツと注意点を解説

愛犬の平熱は何度なのか把握していますか?ご自宅で愛犬の体温を測定したことはありますか?愛犬の体温測定を行うことの必要性・自宅で体温測定を行う際のコツと注意点を解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の平熱ってどれくらいなの?

白い犬と体温計

個体差はありますが、犬の平熱は「38.5℃前後」とされています。人の平熱が36.0℃~37.0℃であることと比べて、犬の平熱は高めであることが分かります。

成犬の平熱

また、小型犬の平熱は38.0℃~39.0℃、大型犬の平熱は37.5℃~38.5℃と、体の大きな犬よりも体の小さな犬の方が、平熱が高めであることも分かります。

愛犬の体温を測定した時、犬の平熱である38.5℃前後であれば、健康で正常な範囲であると考えてよいと思います。

子犬・老犬の平熱

運動量が多く、代謝が活発である子犬や幼犬の平熱は、成犬と比べて高めです。一方で、運動量が少なく、代謝が低下する老犬の平熱は、成犬と比べてやや低めです。

愛犬の体温測定を行うことの必要性

ブルーとグレーの犬用体温計

愛犬の体温が平熱よりも高いとき、または低いとき、動物病院へ「行く・行かない」の判断をすることができます。

  • 熱中症
  • 感染症
  • 子宮蓄膿症
  • 化膿性外傷

犬の体温が高いとき、このような病気の可能性を疑うことができます。

お散歩の後は体温が上がります。とくに夏のお散歩の後は体温が著しく上がることがあります。嬉しくて興奮した後にも体温が上がることがあります。しかし元気があり、食事や排泄がいつも通りなのであれば、一時的な体温の上昇であると考えてよいと思います。

冬のお散歩の後は体温が下がることがあります。平熱よりも低いときは、寒がっている可能性があります。体を温めることで平熱に戻るのであれば問題ないと思います。

平熱よりも高いとき、39.5℃以上ある場合には、愛犬の様子に普段と変わったことがないかどうか観察してください。ごはんを食べない、嘔吐や下痢があるなどする場合には、すぐに病院へ行くべきです。

自宅で愛犬の体温測定を行う際のコツと注意点

体温計を入れられる犬

犬の体温は、直腸で測定するのが一般的な方法です。飼い主がひとりで行うのは難しい場合があります。家族や他の人に犬の体を抑えてもらうなど協力を得るとよいと思います。

しっぽを持ち上げる

しっぽを持ち上げると、肛門がやや上向きになります。そのため、体温計が入れやすいです。

しっぽに触れられると嫌がる犬も多いですよね。力を入れず、そっと優しく持ち上げるようにしましょう。

肛門にワセリンを塗る

体温計を肛門に3㎝ほど入れますが、体温計が入りづらい場合があります。そのような時は、犬の肛門にワセリンを塗ると入りやすくなります。

しっぽと体温計を一緒に手に持つ

しっぽを上げ、肛門に体温計を差したら、しっぽを下げます。この時、しっぽと体温計を一緒に手に持つと、体温計が抜けにくいです。

注意点

体温測定を行うとき、犬が嫌がったり、暴れたりする場合、興奮によって体温が上がってしまいます。必ず、犬がリラックスした状態で体温測定を行うようにしましょう。

体温計が肛門にしっかり3㎝ほど入っていることが大事です。測定の途中で抜けてしまったり、浅く入った状態になってしまったりすると、正しく行えなくなりますので注意しましょう。

基本的には、体温計は肛門にスーッと入ります。めり込むような感覚がある場合、引っかかりがあるような感覚がある場合、便である可能性があります。

直腸に便があると、体温を正しく測定することができません。排便の後で再度、体温測定を行うようにしましょう。

まとめ

犬と37.5℃をしめす体温計、飼い主と獣医師

犬の平熱・愛犬の体温測定を行うことの必要性・自宅で愛犬の体温測定を行う際のコツと注意点を解説しました。

愛犬の体温測定を行う時は、動物用の体温計を使用するようにしましょう。動物用の体温計は、先がやわらかいため、犬が嫌がりにくく、腸を傷つける心配が少ないです。

使用する度に消毒することをおすすめしますが、使い捨てタイプの体温計カバーをつけて使用することで、消毒の頻度が少なくて済みます。

また、犬の体温は人間用の体温計でも測定することができますが、犬の場合は肛門に入れて測定する必要があるため、人と犬の体温計の共用はやめましょう。

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