愛犬の食器の「ヌメリ」原因とは?
毎日愛犬の食器を洗っているのに、ヌルヌルするようなぬめりが取れないと感じたことはありませんか?一生懸命洗っているのにキレイにならないと嫌ですよね。
愛犬にも清潔な食器でごはんを食べてもらいたいものです。このヌメリの原因は一体何なのでしょうか。
そこで今回は、犬の食器がヌルヌルする原因について解説します。
1.細菌により作られる「膜」
繁殖した複数の細菌により形成される薄い「膜」がヌルヌルの原因です。これは「バイオフィルム」と呼ばれているもので、ヌルヌルとした触感とベトっとした強い粘着性があります。このバイオフィルムが愛犬の食器に膜をはり、ヌメリの原因となっているのです。
このバイオフィルムは、生活環境の中にある微生物によっても作られます。そのため、お風呂の排水口やキッチンのスポンジ、洗濯槽の裏側などにも存在しています。
ペットを飼っているから、というわけではなく、日常に当たり前に存在しているのです。さらに人間にとっても感染症の危険性があるため、医療現場では警戒されています。
2.犬の唾液
人間の唾液は弱酸性ですが、犬の唾液はアルカリ性です。アルカリ性は細菌が繁殖しやすい性質を持っているので、大前提として「犬の唾液は細菌が発生しやすい」と言えます。
そして、犬は唾液の多い生き物です。特に大型犬や短頭種はよだれが多いことで知られています。犬がごはんを食べている時に大量の唾液が口から垂れ、食器に付着することにより、独特のヌメリが発生してしまうのです。
3.付着・繁殖した細菌
愛犬がごはんを食べたあとの食器には、食べかすや唾液が付着しています。食器をそのまま放置しておくと細菌が付着・繁殖し、先に述べたバイオフィルムが形成されます。
食べかすや唾液など食器に直接付着するもの以外にも、環境中に存在する微生物が愛犬の食器に付着することにより、バイオフィルムが作られる場合もあります。
特に、気温や湿度の高い夏場は細菌の繁殖が促進されるので、注意が必要です。
愛犬の食器を放置する悪影響
愛犬が食事をしたあとの食器には、目に見えなくても唾液や食べ残しにより細菌が発生しています。そのままの状態で次の食事をとると、体内に細菌が取り込まれてしまう可能性があります。
さらに、食器に洗剤成分が蓄積していた場合は、細菌だけではなく洗剤の成分まで体内に入ってしまうかもしれません。想像するだけでゾッとしてしまいます。
また、愛犬にドライフードを与えている飼い主さんも多いと思います。栄養価も高く犬も好んで食べるフードですが、油脂でコーティングされているものも多く、その油脂は食器に付着します。油脂は酸化しやすい性質を持ち、場合によっては毒性を示すこともあるのです。
このように、食器を長時間放置することにより、犬の体にとって害のあるものが複数付着していると考えられます。
愛犬の食器の洗い方
ヌルヌルの原因が細菌が集まってできた膜(バイオフィルム)であることは分かりましたが、この膜を破壊しなければヌルヌルは除去できません。
しかしこれは一般的な中性洗剤では落としきれず、食器に洗剤の成分が残ってしまうこともあります。
では、どのように洗えばバイオフィルムをきちんと除去できるのでしょうか?
まず、食べ終わった食器を乾いたタオルやキッチンペーパーで拭き取りましょう。
食器を洗う際に使うスポンジは、メラミンスポンジがおすすめです。洗剤を使用しなくても洗えるアクリルたわしも良いでしょう。どちらもバイオフィルムを破壊することが期待できます。
バイオフィルムは時間の経過とともに形成されるので、愛犬の食事後間を置かずにすぐに洗うことが大切です。また、週に1回程度は漂白剤でのつけおきや、煮沸消毒をするとより安心ですね。
まとめ
犬の食器がヌメヌメする原因は、複数の細菌によって形成された膜であるバイオフィルムによるものです。
すぐに愛犬の健康被害につながるものではありませんが、食器を放置することで他の雑菌が付着するなど衛生的ではありません。
効果的な洗い方を実践し、愛犬も飼い主さんも気持ちよく生活できるよう、毎日食器を洗ってあげましょうね。