犬の「認知症」によくある症状
ペット医療の進歩や正しい犬の飼い方が広まるとともに、犬の平均寿命は数十年前に比べてどんどん長くなっています。
犬が長生きするのは嬉しいことですが、愛犬が高齢になってくると「認知症」にならないか心配な飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬の「認知症」の場合、次のような症状が見られます。
- 寝ていることが増える
- 反応が鈍くなる
- 夜鳴き
- 徘徊や旋回(同じ場所をグルグル回る)
- 狭い場所に入って動けなくなる
- ご飯を何度も欲しがる
- トイレを失敗する
愛犬にこれらの症状が見られるようになったら、認知症の可能性があります。
ただし、「寝ていることが増える」「反応が鈍くなる」などは認知症ではなく単なる高齢による変化の場合もあり、初期症状の段階では飼い主でも認知症に気づくのは難しいのが現状です。
犬の「認知症」を予防する対策
犬の認知症の詳しい原因は解明されていませんが、「脳の活性化」が犬の認知症予防や進行を遅らせるのに効果があるといわれています。
ここからは、愛犬の脳を活性化させる具体的な方法をご紹介するので、参考にしてくださいね。
1.愛犬とたくさん触れ合う
認知症予防のために、飼い主は愛犬とたくさん触れ合うように意識しましょう。
スキンシップを取ったり、愛犬をマッサージをすることは認知症予防に効果があるといわれています。
愛犬が高齢になってきても遊ぶ時間を設けてコミュニケーションをしっかり取るようにしてください。
2.栄養バランスの取れた食事を与える
認知症予防に限りませんが、栄養バランスの取れた食事は犬の健康にとってとても大切です。高齢化によって若い頃のよりも食欲が落ち始める高齢犬には、なおさら栄養バランスに気を遣った食事を与える必要があります。
なお、犬の認知症予防には、「ビタミンE」「ビタミンC」「βカロテン」「フラボノイド」「DHA、EPA」が効果があると言われています。ビタミンやβカロテン、フラボノイドは野菜に、DHA、EPAは青魚に多く含まれています。
これらの成分が含まれているドッグフードもありますので、愛犬のフードを選ぶ時は成分表をチェックしてみてださい。
もちろん、他の栄養素も犬の健康には必要なので、バランスの良い食事を与えることが大切です。
3.適度に刺激のある生活をさせる
人間同様、犬の場合でも、脳を活性化させるために適度に刺激のある生活をさせることが必要になります。
犬の脳を活性化させるためには、散歩に行ったり、家族以外の人や他の犬に会わせることはもちろん、家庭内でも新しい知育玩具を与えたり、新しい芸を教えることも効果が期待できますので、これらを意識して生活するようにしましょう
高齢になってくると散歩を嫌がったり、歩くのが難しくなる犬もいると思いますが、抱っこやドッグカートに乗せて外に連れ出すだけでも良い刺激になります。散歩コースも、時々変えると良いでしょう。
家族以外の人や犬に会わせるのも効果的です。ただし、知らない人や他の犬が苦手な犬もいますので、愛犬の性格を見極めて会わせるようにしてください。
知育玩具を与える、新しい芸を教えるなども、犬が考えることで脳が活性化するのでオススメです。
毎日同じ生活パターン、同じ家族、同じ散歩ルートでは犬の脳に刺激が与えられず、認知症になるリスクが高くなるといわれています。ストレスのない穏やかな生活は犬の長生きの秘訣だといわれますが、適度に刺激を与えることも意識しましょう。
まとめ
犬の認知症は夜鳴きや徘徊などが起き、介護する飼い主の生活にも影響があります。原因がはっきりしていないので予防するのは難しいかもしれませんが、認知症対策は犬の健康に繋がるものばかりなので日頃から積極的に取り組んでいきましょう。
もし愛犬の様子に異変を感じたら、認知症ではなく他の病気の可能性もあるので、まずは動物病院で診察を受けることも大切です。
愛犬が認知症だと診断されたら、徘徊に備えて円形のサークルを用意したり、獣医に相談してサプリメントなどを処方してもらうなど飼い主にできることをしてあげてくださいね。