愛犬が『精神病』になっている症状5選
近年、犬も環境の変化や強いストレスの蓄積によって、『精神病』を患うことがわかってきました。その詳細についても研究が進んでいるため、飼い主はより愛犬が過ごしやすい環境や接し方を意識することが求められます。
ここでは、犬が『精神病』になっている時に見せる症状やサインを5つご紹介します。皆さんの愛犬は大丈夫ですか。
1.食欲や元気がなくなる
犬が精神病になると、明らかに以前よりも元気や食欲がなくなるという変化が見られます。以前はご飯を差し出すと喜んで食べていたのに、最近は食欲がなく興味を失った様子を見せる…といった変化です。
また、精神病によって興味や活力も失われているため、1日中同じ場所から動かないという症状が見られることもあります。散歩にも行きたがらないなど、明らかな変化が見られる場合は要注意です。
2.落ち着きがなくなる
精神病を患うと、強い不安や恐怖心から落ち着きのない行動をとるようになる犬も多いです。例えば無駄吠えを繰り返したり、意味もなくウロウロと部屋の中を歩き回るといった行動を取ります。
今まで問題行動を起こさなかった愛犬が、突然吠えて要求を訴えてくるようになったり、常に部屋の中を警戒するように歩き回っている様子が見られたら、精神的に負担がかかっていないか注意しましょう。
3.同じ行動を繰り返す
同じ行動を繰り返す『常同行動』という症状も、精神病の犬によく見られるサインの1つです。前述した通り、同じ行動を執拗なまでに繰り返し、時には飼い主の声掛けにも気付かないほど没頭してしまいます。
犬によく見られる常同行動は、前足や体の一部を舐め続ける、同じ場所をクルクルと回り続ける、しっぽを追いかけ続ける、同じ場所を掘るような仕草を延々と繰り返す…といった行動です。
4.トイレ以外で排泄する
精神的に強いストレスを感じると、犬も人も今まで当たり前のようにできていたことができなくなるという変化が現れます。犬の場合、トイレ以外で排泄するなどの粗相が目立つようになる子が多いです。
今までトイレは完璧にできていたのに、ある時期からトイレ以外の場所でうんちやおしっこをするようになった…という異変は、一見ちょっとした失敗として見逃されがちです。
しかし、この異変が続けば飼い主も「おかしい」と違和感を覚えるようになるでしょう。このような些細な変化や違和感を見逃さないようにしてください。
5.破壊行為
犬は強いストレスを溜め込むとそのストレスを発散させようと、犬が本来持つ本能的な行動を衝動的に引き起こすようになります。特に、物を噛んだり破壊したりといった行動は、強いストレスの表れです。
最初はクッションや家具の脚を噛んで傷つけるといった小さな破壊衝動から始まり、徐々に家具を壊したり、飼い主の物をボロボロにしたり、中にはドアを壊すといった脅威的な破壊行動をとる犬もいます。
犬の精神病…予防法と改善法はあるの?
犬が精神病にならないためには、飼い主が犬にとって居心地の良い環境を整えてあげたり、人間として扱うのではなく、犬本来の習性や本能を尊重しつつ、正しくコミュニケーションをとること意識しましょう。
精神病は、強いストレスが蓄積されることで心が弱り、さまざまな症状を発症させてしまいます。したがって強いストレスを溜め込みすぎなければ、基本的には発症を予防できるでしょう。
もしも精神病を患ってしまった場合は、ストレスの原因に応じて対処が必要です。強い不安や孤独感によるものであれば、飼い主が寄り添いコミュニケーションをとる時間を増やしたり、接し方を変えたりすることで解消されるケースが多いです。
分離不安の場合は、ひとりで過ごすことに短時間から慣れさせることで、徐々に改善していきます。飼い主在宅中も常に構うのではなく、お互いにひとりの時間を過ごす習慣をつけさせましょう。
どうしても改善されない場合は、犬の心理に詳しい獣医師が在籍している動物病院を受診しましょう。場合によっては、行動療法や薬物療法によって治療を進めていく可能性も視野に入れてください。
まとめ
いかがでしたか。犬は賢く感情豊かな動物です。それゆえに、人間と同じように精神病を患ってしまうことがあります。今回紹介したような症状が既に見られている場合は、原因を探り、接し方や環境整備によって改善を試みましょう。