犬が部屋を散らかしてしまう『病気』とは?ただのイタズラじゃないかも?飼い主がすべき対応とは?

犬が部屋を散らかしてしまう『病気』とは?ただのイタズラじゃないかも?飼い主がすべき対応とは?

あなたの愛犬は部屋を散らかすことはありませんか?もしかすると、愛犬のその行為は単なるイタズラではなく、『病気』が原因かもしれません。今回は、犬が部屋を散らかしてしまう「病気」と飼い主がすべき対応について解説します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬が部屋を散らかしてしまう『病気』とは

ぬいぐるみの綿を出したジャックラッセルテリア

倒れたゴミ箱、散乱するゴミ、破られたクッション…。犬を飼っていると、愛犬が部屋を散らかすことってありますよね。

この犬が部屋を散らかす行動は、単なるイタズラであることも多いですが、なかには部屋を散らかしてしまう「病気」が原因の場合があるので注意が必要です。

部屋を散らかしてしまう「分離不安症」とは

犬が部屋を散らかしてしまうとき、単なるイタズラではなく、「分離不安症」という病気の症状で部屋を散らかしている可能性もあるため注意が必要です。

分離不安症は、犬の精神障害です。分離不安症になっている犬は、飼い主が側から離れると強烈な不安に襲われ、さまざまな症状や問題行動を起こすようになります。

分離不安症の症状には「飼い主がいなくなると激しく吠える」「飼い主の後追いをする」などがあり、「部屋を散らかす」行為もそのひとつ。重度になると、自分の尻尾や前足を噛む自傷行為をすることもあります。

犬が分離不安症になる原因

犬が分離不安症になる原因はさまざまですが、環境の変化や飼い主との触れ合い不足、留守番に慣れていないのに長時間留守番をした経験がトラウマになることもあります。

飼い主がいないことに強い不安を感じることが大きなストレスになり、分離不安症に繋がるようです。

愛犬が分離不安症になっている時の対応の仕方

コングで遊ぶトイプードル

愛犬が分離不安症になると部屋を散らかす、吠え続けるなどするため、安心して留守番させられませんよね。仕事をしていると24時間愛犬と一緒にいる訳にもいきませんし、困っている飼い主さんは多いと思います。

分離不安症は、発症すると改善に時間がかかる難しい心の病気です。できれば発症を予防することが最善ですが、すでに症状が出ている場合は適切に対応し少しずつ改善していきましょう。

改善には、「飼い主は姿が見えなくなっても、すぐに戻ってくる」ということを犬に学習させることがポイントです。

訓練は「飼い主が犬の前から姿を消し、犬が不安になる前に戻る」という行動を繰り返し行います。最初はほんの数秒からでOKです。

この時、おやつを入れたコングなどを与えて犬の気を逸らすのがオススメです。犬に気づかれないように姿を消し、何食わぬ顔で戻るようにしましょう。

戻った時も犬には構わずクールに接してください。大げさに構うと犬は興奮しやすくなってしまいます。犬に外出を悟られないように生活パターンや行動を変えるのも有効です。

飼育環境や愛犬への接し方を見直す、犬の習性を勉強し直すなども行ってください。

まとめ

ゴミ箱を倒した犬

分離不安症をはじめ、犬の精神障害や問題行動を改善するのは簡単ではありません。うまくいかないと飼い主も大きなストレスを感じるかもしれませんが、焦らず少しずつチャレンジしてみましょう。

愛犬の分離不安症がなかなか改善しない場合は動物病院に相談してみてください。最近では分離不安症の改善に薬物療法を用いている病院もあるそうです。

愛犬が部屋を散らかすようになっても頭ごなしに叱るのではなく、ストレスを抱えていないか、分離不安症の症状がでていないかなど一度考えてみてくださいね。

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