1.食事のたんぱく質量が多い
犬は「やや肉食傾向が強い雑食の動物」だと考えられています。そのため、丈夫な体を作るためには十分な肉類=動物性たんぱく質を摂る必要があり、その点を意識してドッグフードを選んだり手作り食をつくったりしている飼い主さんも多いと思います。
ただし、肉や乳製品などの動物性たんぱく質は、多く食べすぎるとおならが臭くなる傾向があります。
たんぱく質を胃でしっかりと消化しきれず、腸まで運ばれて分解されることになると、そこでガスの原因となる硫化水素などが発生してしまいます。この硫化水素は腐敗臭にも含まれるもので、悪臭の原因となる成分です。もちろん、たんぱく質は犬の体に必要な栄養素なので、必要以上に減らしてはいけません。
愛犬のおならのにおいが気になる場合は、消化を助ける働きを持つ食材などと一緒に与えたり、消化しやすい状態に加工したりといった工夫をするといいでしょう。
2.消化不良を起こしている
食べたものをしっかりと消化できずに下痢をしていたり、腸内環境が乱れていて便秘をしたりしているときにも、おならのにおいが強くなることがあります。
体の中で消化活動がきちんとおこなわれていないと、腸内で悪玉菌が増えてガスを大量に発生させてしまったり、腸内に便が溜まることで腐敗臭を発生させてしまったりします。
犬の消化不良や腸内バランスの乱れは、様々な原因で起こることがあります。食事内容が犬の体に合っていなかったり、運動不足や睡眠不足、ストレス過多に陥っていたりすることも要因となるので、犬のお腹の調子が気になるときは食事だけでなく生活全般を見直してみてください。
3.ストレスを抱えている
過度なストレスは、犬の体調にも悪影響を与えます。ストレスを強く感じたときや、長期間ストレスにさらされていると、交感神経が優位になって腸の働きが鈍くなり、消化がうまくできなくなることがあります。
そのため、食事を変えていないのにおならが臭くなったり、便秘や下痢をくり返すようになったりしたら、ストレスを溜めこんでしまっている可能性があります。
犬は生活環境の変化でストレスを感じたり、飼い主さんの精神面に影響されたりすることがあるので、日頃から愛犬の様子はしっかりと観察してください。ストレスが溜まっている可能性がある考えられる場合は、スキンシップやコミュニケーション、散歩の時間を増やすなどして精神面や体力面のケアをしてあげましょう。
4.消化器系の病気がある
消化器官を中心とした何らかの疾病が原因で、おならのにおいが臭くなることも考えられます。胃腸の働きが鈍くなっていることで、食材をきちんと消化吸収できずにガスが発生しやすくなったり、下痢や便秘を起こしたりして、おならのにおいも強くなってしまうのです。
一時的な消化不良から、寄生虫感染による腸の炎症や腫瘍など様々な病気があります。自然と回復する病気もありますが、適切な治療を受けなければならない重篤な病気もあるので、気になる場合は一度動物病院でチェックしてもらいましょう。
まとめ
犬の排泄物は「健康のバロメーター」と言われるように、その状態や変化で健康状態を知ることができます。そしてそれは、おならでも同じことが言えます。
いつもより愛犬のおならが臭かったり回数が多いと感じた場合には、一度獣医師に相談してみることをおすすめします。