犬の噛み癖は直せるのか
犬の噛み癖を直すために最も大切なことは「諦めない」ということです。愛犬の長年の噛み癖も飼い主が諦めなければ直せます。直るまで根気強く付き合ってあげてください。
成犬の噛み癖は、習慣化されてしまっていることがほとんどです。
- 警戒して噛む
- 不安を感じたら噛む
- 恐怖を感じたら噛む
- 気に入らないことがあると噛む
- 要求が通らないと噛む
このように、噛むという行動の流れができてしまっているということも考えられます。
噛み癖の習慣化に加えて強化までされてしまっている場合、直るまでには相当な時間がかかるだろう、ということを覚悟しなければなりません。
愛犬の噛み癖が飼い主や家族に大怪我を負わせてしまう危険性がある場合、犬自身にも危険が及んでしまう恐れがある場合には、専門家の力を借りて、なるべく早く直してあげるべきです。
犬が噛む理由と正しい直し方
ではここで、犬が噛んでしまう理由と、理由ごとの正しい直し方もあわせて解説します。愛犬の噛み癖で悩んでいる飼い主さんは是非参考になさってくださいね。
頑固な性格だから
犬が頑固な性格であることが、噛む理由になることがあります。
頑固な性格の犬は、気に入らないことがあると噛むことがあります。「私に触るな!」と、触られることを嫌がって噛んだり、苦手なブラッシングをする時に限って噛んだりすることがあります。
【正しい直し方】
触られることを嫌がって噛むのであれば、触り方に問題がある、と考えてみましょう。ワシャワシャされることを嫌がる犬もいますし、顔回りを触られることを嫌がる犬もいます。
爪切りやブラッシングなどの欠かせないお手入れを嫌がって噛むのは、一度でも無理強いをされたことがあるからでしょう。
おやつを使って構いませんので、犬が自ら受け入れてくれる時まで、少しずつ慣らしていくことが大事です。
気が強くて怖がりな性格だから
気が強くて怖がりな性格であることが、噛む理由になることがあります。
気が強いことで、相手を威嚇して噛むことがあります。怖がりなことで、相手を攻撃して噛むことがあります。
【正しい直し方】
気が強いことで噛む犬には、物怖じせず堂々とした態度で接することが大事です。また噛まれるかもしれない…と怖がっていると、さらに見下されてしまうことがあるので注意しましょう。
怖がりなことで噛む犬には、社会化を強化してあげることが必要です。恐怖心から逃れるために人や犬を噛んでしまうのです。
お散歩中にすれ違う人や犬に激しく吠えたり、ドッグランで人や犬を攻撃して噛んでしまったりしたことはありませんか。自宅に遊びに来た人を噛んでしまったりすることもあるかもしれません。
社会化を強化するため、飼い主や家族、身近な人や他犬との交流する機会を増やしてあげましょう。
遊び好きで興奮しやすい性格だから
遊び好きで興奮しやすい性格であることが、噛む理由になることがあります。
超小型犬であっても、興奮している時に噛みつかれると、皮膚に穴が開くほど強く噛まれることがあります。
大型犬であったらどうでしょうか。死亡事故に繋がる恐れもありますし、大怪我を負ってしまうこともあるでしょう。
遊び好きな犬が興奮して噛みつくと、飼い主の「放せ」の指示が届かないことがあります。飼い主にもコントロールすることができなくなってしまっては、他の誰にも止めることはできません。
【正しい直し方】
噛む強さに関係なく、噛んできたらすぐに遊びを中断しましょう。興奮が治まるまで再開してはいけません。
遊びの最中にしつこく噛んでくる場合には、中断ではなく、中止して構いません。噛んでしまったら遊びはおしまい、ということを理解してもらいましょう。
犬は「噛む」という遊びが大好きです。噛むという行為そのものが好きだからです。噛む遊びをしたい犬には、噛んで遊んでもOKなおもちゃを使って一緒に遊びましょう。
噛む犬へのNG行為
犬が噛んでしまった場合、なんとかして止めさせようと焦ってしまいますよね。しかし、興奮している犬をかえって煽ってしまっては意味がありません。
噛んでしまう犬に対してしてはいけないNG行為をきちんと把握し、最悪な状態を招かないように気を付けましょう。
大きな声を出す(キャーッ!と叫ぶなど)
大きな声を出すと、犬を興奮させてしまうことがあります。興奮した犬が噛む力を強めてしまうこともあります。
怒鳴る
怒鳴られることに恐怖を感じ、一時的に噛むことをやめる場合もあるでしょう。
しかし、それを繰り返していると、飼い主への恐怖心からさらに噛み癖がついてしまう可能性があります。
「痛―い!」と大袈裟に騒ぐ
噛んでくる愛犬を面白がって、痛―い!と大袈裟に騒ぐのはNGです。
噛むことを悪いことだと認識できなくなってしまいます。むしろ、飼い主が喜んでくれていると勘違いしてしまいます。
まとめ
犬の噛み癖は直せます。諦めないこと、時間をかけること、根気強く付き合うことが大切だと思います。
トラブルや事故に発展する恐れがある場合には、すぐに専門家に相談してください。飼い主や家族だけで解決しようと悩まなくても大丈夫です。