『マテ』は犬の基本的な指示動作の1つ
犬の基本指示動作にはさまざまな種類があります。「お座り」「お手」「伏せ」など、何種類か覚えさせている飼い主さんも多いでしょう。その中でも最初の段階で教える基本的な指示動作に、「マテ」があります。
「マテ」は、散歩中に愛犬の安全を確保するために使ったり、外出先でマナーを守らせたり、他のトレーニング中にも使えたり、必須と言っても過言ではない基本指示動作です。
ただし、誤った「マテ」のやり方を実施していると、愛犬にストレスを与えてしまう恐れがあるので注意しましょう。
犬にとって苦痛!ダメな『マテ』の仕方4つ
では、どのような「マテ」の仕方が犬に苦痛を与えてしまうのでしょうか。以下で紹介する「マテ」のやり方は、今日から改善してください。
1.必要以上に長い時間「マテ」させる
「マテ」をさせる時、しつけのためとして必要以上に長い時間、待たせていませんか。数分間や数十分などの行き過ぎた「マテ」は、愛犬に苦痛やストレスを与えてしまい、軽い虐待のような状態に陥ってしまいます。
また、あまりに長い時間「マテ」と指示していると「終わったのかな?」「まだかな?」と解釈を誤ってしまい、勝手に動き出してしまう犬もいるでしょう。基本的に「マテ」は数秒にとどめ、「ヨシ」と許可を出してあげてください。
2.食べ物を前に長い「マテ」をさせる
食べ物を前に差し出して「マテ」させる飼い主さんも多くいます。最初に「マテ」を教える際に、ドッグフードやおやつで教えることが多いことも影響しているでしょう。
ただし、食べ物を前に長い時間「マテ」をさせる行為は、先ほど紹介した事例よりもストレスが溜まりやすくなります。犬にとって食事は重要な要素であり、本能的に欲求度の高い物だからです。
食べ物を前に必要以上の長い時間「マテ」させるやり方は、早食いの原因にもなるので絶対にやめましょう。
3.短時間に何回も「マテ」を指示する
短時間に何回も不必要に「マテ」を指示する方法も、犬にとっては疲れやストレスにつながりやすく、トレーニングのためとは言え逆効果になる恐れがあります。
何度も短時間に「マテ」させることで、飽きてしまったり疲労感を覚えたりしやすくなり、「マテ」という指示に対してネガティブな印象を抱くようになるのです。
基本的に「マテ」を教える際は、短時間に少しだけ行うようにし、朝晩など時間を空けて複数回を自然な形で行うようにしましょう。
4.大声で「マテ!」と指示する
つい大声で「マテ!」と怒鳴るように指示してしまう人がいますが、これでは愛犬に威圧感や恐怖心を与えてしまい、「マテ」に対してネガティブな印象を与えてしまいます。
「マテ」と言われるたびにストレスを感じてしまうため、怒られた気分になり飼い主との信頼関係にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
きちんとトレーニングできていれば大声で伝える必要はありません。ゆっくり愛犬のペースに合わせながら、普通の声量でも「マテ」できるようにしましょう。
犬に『マテ』を指示する時の正しい方法は?
犬に「マテ」を指示する場合、どのような方法で行うのが正しいのでしょうか。まず、待たせる目的(おやつなど)を用意し、「マテ」と指示する言葉は必ず統一してください。
トレーニングであれば、10分の間に遊びを交えつつ2〜3回行い、徐々に「マテ」という指示語を定着させていきましょう。日常的に使う場合は、必要以上に長い時間待たせることは避け、数秒程度にとどめてあげてください。
「マテ」が上手にできたら、すごいね!とわかりやすく笑顔で褒めてあげましょう。褒めてもらえることでやる気が出て、「マテができれば褒めてもらえる」と次に繋がりやすくなります。
まとめ
いかがでしたか。「マテ」は正しく行わなければストレスを与えてしまい、飼い主との関係性にも悪影響を及ぼします。今回紹介したNGなマテの仕方は見直し、正しいやり方で愛犬と楽しくトレーニングを進めましょう。