犬の寿命の長さと体格の関係性
犬全体の平均寿命は、おおよそ14歳前後といわれています。
しかし実際は、小型犬よりは中型犬、中型犬よりは大型犬と、体が大きくなればなる程短命になる傾向にあります。
その理由については、『大型犬のほうが小型犬たちよりも成長スピードが速いから』『体が大きくなる程臓器に負担がかかりやすくなるから』『遺伝子によるもの』など、さまざまな説が考えられています。
長生きしない傾向にある犬種
では、実際に長生きしにくい傾向にある犬種には、どのような犬種が該当するのでしょうか。
1.バーニーズ・マウンテン・ドッグ
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、寿命が短いといわれている犬種のひとつです。
スイス原産の大型犬で、古くから牧畜犬や荷引き犬として活躍してきました。黒、茶、白のトライカラーのなめらかな長毛が特徴で、体が大きく力持ちですが、愛情深く穏やかな性格で家庭犬にぴったりな犬種です。
バーニーズ・マウンテン・ドッグの原産国スイスでは『10歳から先は神様からの贈り物』といわれているように、平均寿命は7〜11年と、他の犬種より短い傾向にあります。
2.グレートデーン
グレートデーンは犬の中でもトップクラスの体高をもつ犬種で、体重はオスメス共に大人の人間ほどになる超大型犬です。引き締まった筋肉質の体に強面の顔と、力強く気高い印象の見た目から、ギリシャ神話の神様になぞらえて「犬の中のアポロン」という異名があります。
迫力のある見た目と反して従順で温厚、飼い主さん家族にはべったり甘えたいタイプです。運動量とある程度のスペースを確保できれば、落ち着いているので室内飼いにも適しています。
この犬種の平均寿命は、昔は5年とされていましたが、今は7〜10年といわれています。
3.セント・バーナード
スイスの国犬であるセント・バーナード。アニメや映画で人気キャラクターのモデルにもなっているので、実際に見たことは無くてもご存知の方も多いでしょう。
セント・バーナードの寿命の平均は8〜10年といわれています。護衛犬や山岳救助犬として人々の生活の中で役立ってきた犬種です。体重が100kgを越えることもある超大型犬で、大きな耳と垂れた耳やたるんだ口元が特徴です。おおらかで明るい性格をしている子が多い傾向にあります。
4.ブルドッグ
ここまでご紹介したのは全て大型犬ですが、中型犬であるブルドッグも平均寿命は8〜10年と比較的短命だといわれています。
がっちりとした体に、つぶれたようなぺちゃっとした鼻とシワの多いユニークな顔が特徴的で、元々は「ブルベイティング」という、牛と犬を戦わせる見世物のためにイギリスで開発された犬種です。
ブルベイティングが禁止されてからは改良され、今ではおとなしくおっとりとした性格の家庭犬として愛されています。体温調節が苦手で、また呼吸器疾患や皮膚疾患に注意が必要な犬種です。
犬の長寿の秘訣とは?
どんな犬種であれ、大切な愛犬にはできるだけ長生きしてほしいと願うものですよね。ここでは犬の長寿につながる秘訣について見ていきます。
愛犬にストレスをためさせない生活を意識する
体格にあった運動量を確保する、不安や緊張を感じる場面を少しでも減らす、室内飼いで気温や環境を適切にする、空腹や睡眠不足を感じさせないなど、日常のストレス要因をできるだけ取り除いてあげてください。
こまめに愛犬とスキンシップをする
飼い主さんとのスキンシップは犬のストレス解消につながるだけでなく、スキンシップの最中にそれまでなかったしこりやできものなどの小さな変化に気付いて、病気の早期発見につながるケースもあります。
定期的に健康診断を受けさせる
外側からはわからない病気の早期発見や予防につながりますし、病院慣れすれば治療がスムーズになるメリットもあります。若いうちは年に1回、シニア期に入ってからは年2回受けさせると安心です。
年齢にあった生活環境を整える
年齢や体調にあった良質なフードを選び、足腰が弱ってきているなら、滑りにくい床やカーペットにする、段差をなくしたりスロープを設置したりと、愛犬が快適に過ごせるよう年齢ごとに生活環境を見直してみてください。
まとめ
今回は寿命の短い傾向にある犬種4つと、長寿の秘訣についてご紹介しました。一緒にいられる時間は短くても、日々を大切に過ごせば愛犬にとっても飼い主さんにとってもかけがえのない素晴らしい思い出となるはずです。
しっかりと愛犬の健康状態をチェックし、ストレス要因を減らして心地よく過ごせるよう管理してあげつつ、愛犬との時間を楽しんでくださいね。