犬の足にあらわれる『危険な病気の症状』
愛犬の歩き方がおかしい、しきりに足を舐める…もしかしたらそれは、危険な病気のサインかもしれません。
今回は、犬の足にあらわれる危険な病気の症状を紹介します。いざというときに愛犬からのサインに気づけるように、チェックしておきましょう。
1.足をひきずって歩く
犬は筋肉や関節に軽度の痛みがある時に、足をひきずることがあります。ずっと同じ姿勢で寝ていると足が痺れることもあるようです。
ちなみにすぐに直る場合は、一時的なものなのであまり心配いりません。
しかし、数日経っても改善しない場合は、次の病気に注意してください。
- 椎間板ヘルニア
- 馬尾症候群
- 骨肉腫
- 関節リウマチ
- 関節炎
骨肉腫はガンの一種で、シニアの大型犬に多い病気です。早期の治療が必要となる病気なので、早急に動物病院へ行きましょう。
2.足を浮かせながら歩く
犬が足を浮かせながら歩く症状には、2つのパターンがあります。
1つめは、地面から完全に足を浮かせてケンケンの状態で歩く「挙上(きょじょう)」。2つ目は、足先は地面に付いているものの、体重を完全には乗せずに少し浮かせている「跛行(はこう)」です。
犬が足を浮かせていて骨折など外傷がなさそうな場合は、主に次の病気の可能性があります。
- 膝蓋骨脱臼
- 前十字靭帯断裂
- 関節炎
犬が足を浮かせている時は安静にさせて、動物病院の診察を受けてください。
3.いつもと違う歩幅で歩く
愛犬の歩幅がいつもと違う…そんな時は、以下の病気の可能性があります。
- 股関節形成不全
- 膝蓋骨脱臼
股関節形成不全は特にレトリーバーなどの大型犬に多く見られる疾患です。症状が重い場合は手術が必要になることもあります。
膝蓋骨脱臼は小型犬に多く、足を浮かせたりスキップのような歩き方をするのが特徴です。
4.足に力が入らなくなる
犬の足に力が入らない、ふらつきが起きたり歩けなくなったりする場合は、以下の病気を疑いましょう。
- 脳疾患(腫瘍や炎症など)
- 椎間板ヘルニア
- 脊髄疾患
脳や脊髄に異常があると、後ろ足に影響がでて歩けなくなってしまうこともあります。異変を感じたらすぐに動物病院に行きましょう。
5.前足をしきりに舐める、噛む
愛犬が自分の前足をしきりに舐めたり、噛んだりする場合は皮膚炎を起こしているかもしれません。
指先や指の間、爪の周りが赤くなっていないか、異物が刺さっていないかチェックしましょう。炎症は犬が刺激することでさらに悪化して治りも遅くなってしまいます。
しばらく様子を見ても改善しない場合は、動物病院で治療するようにしてください。
犬が足をひきずるのは仮病の可能性も
愛犬が足を引きずったり浮かせて歩いているのに、足に異常がなく、特に痛みもなさそうな場合は「仮病」の可能性があります。
引きずる足が左右で変わる、遊ぶ時には問題なく足を使えているなどの様子があれば、仮病の可能性が高いでしょう。
過去に足を引きずって飼い主から心配された経験がある犬は、飼い主に注目されたいがために仮病を使うことがあるのです。
「仮病だと思っていたら本当に病気だった!」なんてことも考えられるので、仮病の疑いがあっても、足に異常がないかチェックして改善しない場合は獣医に診てもらうようにすると安心です。
まとめ
犬は痛みや病気を抱えていても、言葉にして飼い主に訴えることはできません。むしろ、動物の本能で痛みを隠してしまいます。
足に症状があらわれる病気には、命にかかわったり早急に治療が必要なものもありますので、絶対に放置せずに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
愛犬の健康を守るために、日頃から足や歩く様子をチェックするようにしてくださいね。