犬の『カタツムリの誤食』が危険な理由とは
梅雨の時期になると現れるカタツムリ。愛犬が散歩中に見つけて興味津々!などということもありますよね。
しかし、愛犬のこの行為、実はとっても危険なのです。あまり知られていませんが、カタツムリには危険な寄生虫がいる可能性があります。
その危険な寄生虫とは、カタツムリやナメクジを宿主とする「広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)」。幼虫期に中間宿主としてカタツムリやナメクジに寄生し、感染能力を持つまで成長すると、宿主であるカタツムリを食べたドブネズミやクマネズミに寄生して終宿主とします。
寄生した広東住血線虫はネズミの肺動脈へと移動し、そこで成虫となって産卵します。卵はネズミの糞とともに体外へ排出され、糞を食べたカタツムリやナメクジへ幼虫が寄生するという習性を持っています。
この広東住血線虫は、主にネズミを終宿主としていますが、犬がカタツムリを食べて体内に取り込んだ場合も感染する可能性があります。また、広東住血線虫はカタツムリの分泌液に潜んでいることがあるため、食べずに触るだけでも感染する恐れがあるので大変危険です。
広東住血線虫は犬の体内に侵入すると血管や神経を移動し、臓器に炎症を起こします。脳に到達した場合は脳炎が起き、最悪の場合は宿主である犬を死に至らしめます。
犬のなかには興味本位でカタツムリをオモチャにしたり、食べてしまう子もいますので注意が必要です。
散歩中にカタツムリの誤食を防ぐための対策
前述の通り、『カタツムリ誤食』は愛犬にとって非常に危険です。愛犬を守るためには、飼い主がしっかり対策をしなくてはいけません。
カタツムリの誤食を防ぐには次のことを意識するようにしましょう。
リードを必ずつける
誤食を防ぐためにも、散歩の時は必ず愛犬にリードをつけましょう。リードをしていれば、愛犬が何かを誤食しそうな時に止めることができます。
拾い食いをしないように犬をしつける
犬が誤食をしないためには、拾い食いをしないようにしつけておくことも大切です。カタツムリやナメクジだけでなく、道に落ちている物を食べないように子犬のうちから訓練しておきましょう。
犬から目を離さない
スマホやご近所さんとのお喋りに夢中になっている間に、愛犬がカタツムリをぱくり…などということにならないように、散歩中は愛犬から目を離さないようにしてください。
愛犬の近くにカタツムリを見つけたら、避けて歩くようにしましょう。
カタツムリがいそうな場所に入らない
カタツムリがいそうな場所に犬を連れて入らないことも、対策として効果的です。
特に梅雨の時期はカタツムリやナメクジが増えるので、ジメジメした場所やコンクリートが多い場所、落ち葉が多い場所などは避けたほうが安心でしょう。
まとめ
カタツムリは、犬の散歩コースにも出没する身近な生物です。すべてのカタツムリに寄生虫がいる訳ではありませんが、愛犬をむやみにカタツムリに近づけないことをおすすめします。
また、今回冒頭で解説した広東住血線虫は、人間にも寄生する可能性があります。そのため、カタツムリを触った後は必ず石鹸で手を綺麗に洗いましょう。
梅雨の風物詩であるカタツムリですが、愛犬との散歩中に発見したら、少し遠くから見守るようにしたいですね。