聞いたことない!珍しい犬の職業
犬たちの優れた能力は、様々な場面で人助けのために活躍しています。
私たちが知らないところで実は犬たちが活躍していることがあるのです。
では、普段聞かないような職業犬の種類をご紹介します。
放火探知犬
火事の現場でガソリンや灯油の臭いを嗅ぎ分け、放火されたものかどうかの判断をする手助けを行います。
火事現場でガソリンの臭いがした場合は、放火である可能性が高いと判断されます。
スイスで初めての放火探知犬「ダスティ」
スイス北西部に位置するヌーシャテルにある警察には、スプリンガー・スパニエルの『ダスティ』という放火探知犬がいます。
ダスティは、消防車が全ての火を消し終えた後の火事現場で、検査した専門家が放火探知犬の力を必要としたときのみ出動します。
現場ではブーツを履いて、可燃物の液体の臭いを探し出し、焼け跡の中から臭いのする箇所を鼻で「ふんふん」とすることで知らせます。
ダスティが見つけた物質は、専門の犯罪科学研究室へ運ばれ、そこで最終的な科学テストが行われるとのこと。
ダスティは、サッカー場の芝生に1滴こぼした石油でも、2~3分で探し出すことができる能力を持っていて、ダスティの活躍のおかげで時間と科学テストの費用が節約できるといいます。
危険な現場での作業であるため、獣医での診察を受けているそうですが今のところ何も問題は見つかっておらず、現場での作業ではダスティの安全を優先的に考え決められたチェック項目をクリアした場合のみ、捜索を行うようにしています。
シロアリ探知犬
シロアリの放つ特定の臭いを嗅ぎ分け、シロアリを発見する職業犬です。
犬の優れた嗅覚を生かし、シロアリ自体が出すフェロモンや、エサを探すときに出すわずかな化学物質の痕跡、シロアリに寄生している微生物の消化によって出される臭いなどを嗅ぎ分け、シロアリを探知すると首を縦にふり知らせます。
壁などに入り込んで巣を作るシロアリですが、シロアリ探知犬は臭いで探すため、余計な壁を壊すことなく探知することがでるというメリットがあります。
アメリカを始めとした海外では、多くのシロアリ探知犬が活躍していますが、現在日本では数頭のみ。
日本では、被害が出た後に駆除をする場合がほとんどで、既に被害箇所が特定されているため、シロアリ探知犬の普及が進んでいないようです。
考古学犬
オーストラリアのドッグトレーニング協会にいるラブラドールミックス犬の「ミガルー」は、肉片のついていない人骨を嗅ぎ当てることができる、世界初の考古学犬として活躍しています。
ドッグトレーナーのジャクソン氏は、250年前の白骨を博物館から借り、6カ月間その骨の探索訓練をミガルーと行いました。
テストでは、100%の確率で探し出すことができるまでになったそうです。
25年前にアメリカで遺体探知犬のキャンディーが、1812年の人骨を発見したものが最も古い骨として記録されていましたが、ミガルーは425年前の人骨を探し当てることができ、さらに、地下2メートルに埋められた600年前の人骨までも探知できるようになっているそうです。
※遺体探知犬…人の遺体を発見するよう訓練された犬で、主にアメリカで活躍している。災害現場や殺人事件などで遺体を捜索する際に動員され、水から立ち上るニオイを追跡できるため溺死者や水底に沈んだ遺体を探すことも可能。
害獣駆除犬
人間の生活に危害を加える野生動物を駆除するための犬です。
田畑の農作物を荒らすサルやイノシシ、クマなどの害獣を駆除します。
日本では、長野県や群馬県でサルを駆除する「モンキードッグ」やクマの駆除する「ベアドッグ」などが活躍しています。
犬種に制限はないですが、山林を走って移動するため小型犬には向いていない仕事のようです。
野生動物を識別できる、人に危害を加えない、人と離れても呼んだらすぐに戻ってくる能力が必要となります。
まとめ
みなさん知っている職業犬はいましたか?この他にも麻薬探知犬や遺体探知犬、ガン探知犬、聴導犬、介助犬など様々な形で人を助けている犬たちがいます。
人の生活になくてはならない職業犬たち。
犬たちの無限の可能性によって、今後もっと様々な職業犬たちが登場することでしょう。