犬が「クッシング症候群」になっている時の症状とは?4つのサインと予防対策

犬が「クッシング症候群」になっている時の症状とは?4つのサインと予防対策

皆さんは犬の「クッシング症候群」という病気をご存知でしょうか。犬には珍しくないさまざまな病気を併発する恐れのあるホルモン異常の病気です。今回は、「クッシング症候群」について、症状や予防対策などを紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬の「クッシング症候群」とは

眠そうな老犬

クッシング症候群とは、腎臓のそばにある副腎という場所からコルチゾールというホルモンが分泌され過ぎてしまうことによって起こる症状です。

通常の量であれば問題ありませんが、コルチゾールが分泌され過ぎてしまうと体に悪影響を及ぼし、免疫力の低下や他の病気を併発するなどの事態が懸念されます。

ホルモン異常の病気の1つとしては珍しくなく、8歳を過ぎた頃から症状を発症する犬が増えてきます。特にプードル犬種やダックスフンド犬種、ビーグルなどに多いといわれていますが、犬種に限らずすべての犬に起こり得る病気です。

犬が「クッシング症候群」になっている時の症状4つ

眠そうな様子の老犬

犬のクッシング症候群は、早期発見して治療につなげることが重要です。では、犬がクッシング症候群になっていると、どのような症状が見られるのでしょうか。ここではクッシング症候群になっている時のサインを紹介します。

1.多飲多尿

以前よりも水を飲む量が増え、同時におしっこの排泄量も増えます。これは病気を患っている犬によく見られる「多飲多尿」と呼ばれる症状で、クッシング症候群でも同じような症状が見られることが多いです。

また、この症状は糖尿病や子宮蓄膿症、腎臓病などでも見られることが多いので、クッシング症候群と同時に他の病気を併発していないか検査してもらいましょう。

2.皮膚が弱くなったり黒ずんで見える

クッシング症候群になると、皮膚が弱まるという特徴が見られます。皮膚が薄く弱くなったり、以前よりも黒ずんで見えるようになったり、皮膚炎を発症しやすくなるといった変化が見られることもあるでしょう。

また、免疫力が下がることによって、皮膚関連の感染症を患うリスクが高まるといわれています。早めに病気を治療し、少しでも免疫力を向上させられるよう努めましょう。

3.体力の衰えが顕著に現れる

眠る老犬

以前に比べて明らかに体力の衰えが見られると感じる場合は、一度動物病院で相談してみましょう。横になっている時間が多くなったり、呼んでも反応が薄くなったり、散歩に行きたがらなくなるといったサインが見られます。

またクッシング症候群になると、少し歩いただけで息が上がってしまうなどのサインも見られるため、こうした日常の些細な変化も見逃さないようにしてください。

4.以前よりも抜け毛の量が増える

クッシング症候群によく見られる症状として、以前よりも抜ける毛の量が多くなるというサインがあります。一見、年齢的にも老化なのかと思いがちですが、あまりにも抜け毛の量が増えたという場合は病気を疑ってください。

これはクッシング症候群によって皮膚が衰えていることも関係しています。「よくあること」と放置してしまうと症状が進行してしまうので早めに対処しましょう。

クッシング症候群にならないための予防対策はあるの?

診察を受ける犬

クッシング症候群にならないためにはどうしたらいいの?と飼い主さんは思うでしょう。しかし残念ながら、現段階でクッシング症候群にならないためにできる予防対策はありません。

強いていうならば毎年欠かさず1〜2回の定期的な健康診断を受け、早めにクッシング症候群の兆候を見つけて対処することが挙げられます。

基本的には、クッシング症候群の兆候や症状が見られてから治療を始めます。ただし、こちらも治癒させるのではなく、症状をコントロールするといった治療法が取られます。

主な治療法として投薬がありますが、状態によっては外科手術が必要となるケースもあるので、検査などを通して獣医さんと話し合いましょう。

まとめ

動物病院に訪れる犬と飼い主

いかがでしたか。犬のクッシング症候群は予防することは難しく、発症してしまうと完治することが難しい病気です。ただし早めに発見し、進行を止めたり遅らせたりすることで、重症化を免れることは可能です。

愛犬が7〜8歳になったら欠かさず健康診断を受けたり、体調に異変がないか注意深く観察するようにしましょう。

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