愛犬が人に飛びついてしまう深刻なリスク
「飛びつく」という行為は、犬にとって自然なことです。子犬が母犬に飛びつくこともありますし、遊んでいる最中の子犬同士が飛びつき合うこともあります。
人に対して飛びつく行為も犬にとっては、何の悪意もない当たり前の行動なんです。嬉しくて興奮して飛びついたり、よい出来事を期待して飛びついたりすることがあります。
攻撃性を持って飛びつく犬もいますが、そう多くはありません。ただ、どんな理由であっても、犬が人に飛びつく行為は深刻なリスクのあることだということを知ってほしいです。
1.人を転倒させてしまう
愛犬が人に飛びついてしまうことには、人を転倒させてしまう深刻なリスクがあります。
相手が子供や高齢者であったらどうでしょうか。転倒させてしまったことで大怪我を負わせたり、死亡事故に繋がったり、思わぬトラブルが起こる可能性が非常に高いです。
私は中型犬の愛犬に飛びつかれることに慣れているのですが、それでもヨロヨロっと倒れそうになってしまうことがあります。
犬が人に飛びついたことでおこる転倒は、中型犬や大型犬にのみ起こるリスクだと考えがちです。しかし、実際には超小型犬にも小型犬にも起こり得るリスクです。
犬に慣れていない人であった場合、犬の飛びつかれたことに驚き、転倒してしまうことがあるからです。実際に何度も目撃しています。
2.後ろ足を脱臼してしまう
愛犬が人に飛びついてしまうことには、後ろ足を脱臼してしまう深刻なリスクがあります。
チワワやポメラニアンなどの超小型犬に起こりやすいリスクです。後ろ足の脱臼は、「膝蓋骨脱臼」や「パテラ」とも呼ばれています。
飛びついた後、地面に着地する時の衝撃により、膝の骨が正常な位置から外側にズレてしまったり、外側に外れてしまったりすることを言います。
1~4までのグレードがあり、痛みによって歩行が困難になる場合もありますし、症状によっては外科手術が必要になる場合もあります。
3.蹴とばされてしまう
愛犬が人に飛びついてしまうことには、蹴とばされてしまう深刻なリスクがあります。
知り合いの犬に実際に起きたことなのですが、嬉しくて飛びついた相手に足で蹴とばされてしまったということがありました。悪意は一切ありませんでした。驚いた衝撃と、咬みつかれるのではないかという恐怖によって、咄嗟に蹴とばしてしまったのです。超小型犬だった犬は数m飛ばされ、地面に叩きつけられたそうです。
犬と接することに慣れていない人や犬が苦手な人は、犬への適切な対応を知りません。飛びつくという行為を「攻撃」と受け取る人がほとんどです。まさか嬉しくて興奮し、その気持ちを表現するための行為だとは思わないのです。
犬の人への飛びつきを改善するための対策
愛犬が人に飛びつこうとした時は、「待て」「おすわり」の指示を出しましょう。指示に従うことができたら思いっきり褒めてあげましょう。ご褒美のおやつを与えてもよいです。指示に従わないこともありますが、嬉しさや期待から興奮している状態であることがほとんどです。犬の気持ちが落ち着くまで待ってから指示を出してみてください。
また、飼い主の帰宅が嬉しくて飛びつくことがあると思います。それをやめてほしいと思う飼い主はあまりいません。飼い主にとっても嬉しい行為だからです。
このような場合には、「飼い主には飛びついてもよい」「他人に飛びついてはいけない」というルールを作ってはいかがでしょうか。他人に飛びつこうとした時は必ず待てやおすわりの指示を出し、絶対に飛びつかせないようにします。
嬉しくて飼い主に飛びつく時は、愛犬の興奮を高めてしまわないよう、落ち着いた態度で接します。そして、愛犬が怪我をしてしまう深刻なリスクがある、ということを忘れないようにしましょう。
まとめ
愛犬が人に飛びついてしまう危険なリスクを3つ解説しました。
- 人を転倒させてしまう
- 後ろ足を脱臼してしまう
- 蹴とばされてしまう
犬が人に飛びつく行為は、犬にとって自然な行為である、ということも理解してあげるとよいと思います。
叱ったり怒鳴ったりするのではなく、待てやおすわりをさせることで行為をやめさせる、という対応を続けることで、少しずつ改善していきましょう。